クリスチャン パートナーズ
通信 第5号
発行日/1989年11月
長らく途絶えていたクリスチャン・パートナーズ通信(旧称:CNEC-JAPAN通信)を復活しました。この通信第5号が前号との間のニュスギャップを埋めるのに少しでも役立てば幸いと存じます。
会の名称変更
CNEC(Christian Nationals Evangelism Commission)が、その名称を一般に解り易いPartners Internationalに1988年1月1日より変更しましたので、これに呼応して1988年6月16日の理事会でCNEC-Japanの名称も新年度(1988年7月-1990年6月30日)からPartners International-Japan、日本語名称はクリスチャン・パートナーズと改称することに決定しました。同時に会則も見直し文書の一部修正をいたしました。
SACプロジェクトのその後の進展状況
1984年11月4名のカリマンタンの子供達の学費援助から、スタートしたSACプロジェクトは、その後徐々にこの活動の趣旨にご賛同して下さる方々が増え、本年11月未現在でスポンサー21名、里子21名になりました。ご協力を感謝いたします。
最近の新しい動きとして、従来の小中学レベルのSACの子供のうち卒業後も、高校レベルの聖書学校に学ぶものが居りますので、それら高学生にもSAC援助の輪が広げられるようになりました。その結果、対象地域はカリマンタンからジャワ島に拡大されました。
人事往来
1987年5月18日、日本ISI(International Students Inc.)理事長駒木重二氏をお招きして、同団体及び米国ISIの活動にこついてお聞きしました。
1987年6月11日インドネシアで宣教奉仕をしておられる後藤公子さんを招いて、Pontiahakの状況、現地の神学校、FEBI(Far Eastern Bible Institute)の運営などについて懇談しました。
1987年12月12日、米国出張の帰路、日本に立ち寄られたPaul Chang 牧師に木ノ内理事と松本理事がお会いして、SACプロジェクトのシンガポールにおける運用の仕組みなどについてお伺いしました。
なおChang 牧師はCNEC-Singaporeの責任者(SE Asia Coordinator)です。
1988年1月8日、小川国光宣教師をお招きして先生のインドネシヤでの長年の宣教活動、現在シンガポールで関わっておられる宣教師の研修センターでの働きについてお話しをお伺いしました。
本年1月14日韓国出張の帰路来日されたAllen Finleyご夫妻を国際文化会館にお招きして、懇親の一時を持ちました。日本側14名の参加があり、和やかで有意義な集まりでした。
Finley氏は1960年以来CNECに関わってこられ、その発展に大きな指導力を発揮されました。一昨年会長の職をLuis Bush 氏に譲られたが、名誉会長として引き続き側面的にPartners Internationalをサポートしておられます。
FAMILY TIEの翻訳
この本はA11en Finley氏とLorry Lutz氏の共著で、CNEC(新名称:Partners International)の設立及びその活動の聖書的根拠について書いたもので、かねてからその日本語訳を希望しておりました。
このたび木ノ内理事がその翻訳に取り組まれ、お忙しい仕事の合間を縫って2年がかりで昨年10月に完成されました。
同氏の献身的奉仕に対し深く謝意を表明する次第です。なお、この日本語訳については、本部からの書面による許可を頂いております。木ノ内氏の翻訳は、その後他の関係理事からの翻訳に対するコメント等を織りこんで、日本語訳の決定版の完成を進めており、来年には印刷配布の運びになると存じます。
松本理事のCNEC-Singapore訪問
松本理事は1988年7月シンガポール出張を機に、同地のCNEC事務所を訪ねCNEC東南アジヤ地区コーディネーターの地位にあるPaul Chang牧師にお会いして、CNECの同地での活動内容、特にSACプロジェクトについて詳しくお伺いする事ができました。
以下その概要を記します。
CNEC-Singaporeの事務所はChang牧師他10名のスタッフで運営され仕事開始に先立って毎朝祈祷会が持たれています。活動分野として次の4部門があります。
(1)宣教テープライブラリ(Tape Inspiration Lending Library)英語・中国語による宣教指導ガイド用テープの作成貸し出し、現在600名の定期利用者があり、年間シンガポールドル5ドルで利用でき、2週間で4本のテープが借りられます。この部門は4人のスタッフで運営されています。
(2)礼拝(土曜日及び日曜日)
事務所の1階に約120名収容できる礼拝堂があり、4つのクリスチャングループ約500名が毎週ここで礼拝を守っています。
若い層が多い。(現在シンガポールの人口に占めるクリスチャンは16%で数年前の5%から大きく伸びています。)
(3)副音通信教育(Good News Correspondence Course)
中国語によるキリスト教通信教育、現在約3、000人が参加期限は設定されておらず無料。
2人のスタッフで運営されています。
(4)SACプロジェクト
Miss Moh Soon(Miss Nellie Thamの2人目の後任)他2人のスタッフで運営。現在SACの対象となっている生徒数:
ビルマ 24名
インドネシア 553名
タイ 1,494名
3名のスタッフの仕事は手紙等を英語・中国語に翻訳することが主で、タイプライター1台、PC1台が使われています。
次いでSACプロジェクトの歴史から現在までの進展について次のような説明がありました。
(a)このプロジェクトは1960年代に香港でスタートしました。中国からの難民の住むアパートの屋上に学校を設立し(当初3~4校)、間もなくこれに教会と日曜学校も併設されました。香港に続いて中南米(ガテマラ・メキシコ)、インド、西アフリカ(リベリヤ)にも拡大されました。
1974年香港でのプロジェクトが一段落したので、Chang牧師はシンガポールに派遣され、1976年からタイとインドネシア(西カリマンタン)でSACプロジェクトを開始しました。
(b)インドネシア(西カリマンタン)に於けるSACプロジェクトはPontiakで先ず日曜学校の設立からスタート。次に家を一軒買って教会にしました。
当初SACプロジェクトの対象に70名の貧しい学童が選ばれたが、現在603名に増えています。
プロジェクトの事務局はPontianakにあり、責任者Lucas Chenのしたに事務局員David Chai一人だけで、彼がモーターバイクで全地域を動き回っています。
SACプロジェクトは中学レベル迄の生徒を対象にしておりその選定、推薦には牧師や教師
があたります。その上で本人の写真と身分証明書が作成されます。
(C)SACプロジェクトの費用については、現在生徒一人当たりの所要費用はUS$6.50で、その内訳は次の通りです。
イ.学費免除
ロ.教師の給与補助
ハ.制服、本、学用品(一部)
ニ.宣教(一部)
ホ.学絞施設維持費(一部)
ヘ.管理費(一部)
(d)米国本部(カルフオルニア州サンノゼ市在)との関係について申しますと、現在CNEC-Singapore扱いのスポンサーはシンガポール以外に米国、カナダ、日本、オーストラリヤ、英国に及んでいますが、スポンサーからの送金はすべて米国本部に送金され、そこで管理しプールされます。この送金のプール制度によって、スポンサーのついていない子供についてもスポンサーのつくまでの期間、援助が可能になります。
なおCNEC-Singaporeの名称変更については、シンガポールでもインドネシアでもCNECの団体名をそれぞれの政府に登録済みであり、これを変更することは困難なので、本部に倣って名称変更はしないとのChang牧師の説明がありました。
CNEC-Singaporeはシンガポールとその周辺の国々に宣教活動を展開し、今日迄に各地に設立した教会数は50に達しております。
SACプロジェクトはその宣教活動の一環として位置づけられております。
またChang牧師は2年前Pontianakに高校レベルの生徒を対象に聖書学校(Bible Seminary)を開設。当初4名の学生でスタートしましたが、2年目は22からの学資援助が得られれば有り難いとのChang牧師の希望表明がありました。
今回の松本理事の訪問でSACプロジェクトについて色々な点が明確になり、教えられることが多々ありました。今後ともCNEC-Singaporeの働きの上に神様の豊かな祝福と支えがありますよういのります。
理事長 草野計雄
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