クリスチャン パートナーズ
通信 第10号
発行日/1991年8月
1990年度活動報告
理事長 草野計雄
(1)クリスチャンパートナーズが第1回設立準備会を催しましてから、はや満7年になりました。
1988(昭和63年)6月には旧名「日本キリスト教海外協力会」を改称し、同時に会計年度も米国の本部にあわせて、6月末日で了ることに致しました。今年もこの7月から新しい年(1991年度)が始まります。
(2)この1年を振り返ってみますと、なんと申しましても湾岸戦争関係で殆どその期間が覆われ、次いでソ連、東欧の情勢の変化が、大きな歴史の転換を思わせるに至りました。
そしてかかる国際的事件が、単なる政府の外交問題としてのみならず、我々個人にも数多くの考えねばならぬテーマを与えたのでした。
就中難民や移民問題に関連して、国際間のボランティア運動についての、積極的理解や協力の責任を今更のごとく覚えたのでありました。
(3)さて1990年度の始めに、クリスチャンパートナーズはコミュニーションの充実を第一の目標に致しました。通信第7号で私は何よりもクリスチャンパートナーズ関係者同志の、心の動きや愛情や労りや励ましを、このボランティア運動の最も大切な目標にしてはと提案しました。
その努力の一つとして、本年度は通信第7号に続いて第8号を11月に、第9号を5月に発行致しました。
それぞれ木ノ内、成田、上野各理事が主として編集を担当致しました。
また3月にはCNECのシンガポール本部のポールチャン師を囲む会、6月には後藤公子師よりインドネシアの宣教活動について聞く会を催し、コミュニケーションを深めました。
我々が支えているSAC児童30名からはクリスマスカードが、春にはシンガポールのボランティアによる英訳文のついた便りが送られてきました。
こちらからも沢山の里親から返信やカードが託されました。
(4)SAC児童の数は年度初め27名でしたが、新たに村田みや子様、田中穎穂夫妻、片山洋子様、内田友恵様、宮沢恵二夫妻が参加下さいましたので現在その数は32名であります。
4月の理事会でご相談したのですが、やはりSACの活動も一つの長期目標を樹てることが望ましいということになり、これから3カ年後に児童数100名まで増加するよう努力しようではないかということになりました。
会員相互のコミュニケーションを大切にしながら、この国際的な愛のつながりを育てていく機会をはずさないように進めたいと思います。
そこで新年度の精神的目標は「参画」に置きたいと存じます。参画することにより我々はより深いコミュニケーションが与えられ、新しい喜びを発見し、視野も広がると思うからであります。
(5)ところで会計報告は4ページの通りです。若干の繰越金がありますが、その中から、西カリマンタンにおける神学校建設等、SACの対象児童が更に専門のキリスト教教育を受けて成長していくための援助金を引き当てたいと思っています(6月末33,100円)
(6)ここで現在SACを支えて下さっているスポンサーのお名前をABC順で敬称を略してご紹介致したいと存じます。
阿部聖津堆、淡路由紀子、藤沼リゥ子、平野良子、柿谷正樹、金沢とし江、片山洋子、木ノ内一雄、是松玲子・他7名、草野計雄、草野道子、松本繁雄、松本とみ、宮沢恵二・佳也子、宮沢玲子、宮沢祐一、村田みや子、永岡書久夫、長沢のり、成田政俊、小倉富士代、岡田信子、篠原容子、武田英夫、竹澤三佳子、田中穎穂・英子、鳥海百合子(2児分)、
鴇田一子、鴇田咲枝、内田友恵、上野亘(以上31スポンサー)
なおSAC以外に青木基子様、西村光子様より援助金を頂いております。
又木ノ内理事は本年より「二俣川聖書集会」という名称の伝道活動を始め、その献金のうち多くを、将来のカリマンタンにおける神学校建設のための資金として、クリスチャンパートナーズに託しております。
未だ数名のお集まりです。お祈りください。
以上のほか、SACの児童のためのクリスマスプレゼントや誕生日プレゼントとしてお預かりしている援助金がありますので、適宜シンガポール本部を通して送金しております。
また、我々の活動を励まして下さる意味でいただいた援助金は、日本における諸活動に充てさせて頂きました。
く7)ご承知の様にクリスチャンパートナーズは本部を米国カリフォルニヤ州サンノゼ市に置くPartners Internationalの日本支部として設立し、海外の宣教の地における伝道活動の詳細は、その地のクリスチャンに委ねる方法をしております。
しかし本部も海外も公認会計士の監査を受けており、その他の活動報告や視察結果等により援助金の有効な使用を確認しております。
国際的ボランティアや資金援助の運営については未熟な私どもではありますが、将来の成長を目指しておりますので、何卒会員の皆様のご支援をお願い致します。
クリスチャンパートナーズ1990年度決算1990.7.1~1991.6.30 単位 円 |
収入の部 |
前年度繰越 |
563,072 |
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収 入 |
1,450,680 |
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合 計 |
2,013,752 |
支出の郡 |
援 助 金 |
1,067,000 |
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印刷・コピー・通信等 |
57,878 |
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送金手数料 |
16,800 |
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雑 費 |
77,640 |
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合 計 |
1,219,318 |
次 年 度 繰 越 |
794,434 |
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内訳 |
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定額貯金 |
300,000 |
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郵便振替 |
463,165 |
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現 金 |
31,269 |
後藤公子師 講演会の様子
6月22日(土)午後2時から本郷の学士会館で行われましたこの講演会は、通信第9号でもご紹介致しましたが、当日は会員14名が集まり、同師の物静かなお話ぶりの中に秘められた深い信仰と純粋な愛の力に強い感銘を受けました。
後藤師の報告は毎月「インドネシアだより」として「後藤さんを励ます会」の会員に配布され、クリスチャンパートナーズでも理事に回覧してきましたが、今回はスライドによって現地の美しい自然と、素朴な生活の様子や、その中で働いてこられた体験をうかがうことができました。
同師の最初の伝道活動は1977年に始まり、1984年から1991年までは、ポンティアナックの奥地の養護施設兼神学校で伝道師として奉仕されました。
(村の様子、協会の様子をスライドで紹介)
「足を使わなければ伝道はできません。しかし隣村までも3時間歩くのです。」
こうして16~17ケ所の伝道所が建てられました。
養護施設が受け入れるのは、両親のない子、片親の子、或は極貧の子沢山の家庭の子供で、施設の子30人分の1日の副食費は5~600円ほどの粗末なものだとのことです。
しかし、穴のあいた皿や、ざこ寝の集団生活の中でも、子供たちは生き生きと可能性を持って育っている。(喜々とした子供たちの姿がスクリーンに出てきます。)シンプルライフの中で児童の心が育てられ、思いやりや教師・上司への尊敬の念が培われていく、この同師の体験の中から、「絶対者を教えないで教育は存在するか?」と静かに訴えられました。
足りないものは先ず教科書や聖書(インドネシア語)。プレゼントとして喜ばれるものはノート、ボールペン(鉛筆より良い)小学校のための費用は1人1カ月200ルピヤ(20円)、中~高等学校で同5000ルピヤ(500円)程度。
卒業した児童は殆ど伝道師となって、奥地へ赴くとのことです。政府も何か宗教を持つように指導しておりますが、事実上イスラム教か、キリスト教とのことです。現在日本人の長期の滞在は日本語の先生としてならば許されます。
同師は8月また、インドネシアを訪問される予定で、その際SACの児童にあって下さるかも知れません。
"ああ、麗しきかな、良きおとずれを告げるものの足は”ローマ書10:15
【新会員のご紹介】
内田友恵さん
はじめまして、このたび入会しました内田友恵と申します。
以前より「里親制度」に関心があり、会を探していましたが、なかなか入会するきっかけがつかめませんでした。
そんな折、同じ会社の草野氏がクリスチャンパートナーズで活動をなさっていることを知って、何かお役にたてたらと思い、仲間にいれて頂くことにしました。機会があれば皆様からいろいろなお話を聞かせて頂きたいと思います。宜しくお願い致します。
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