クリスチャン パートナーズ
通信 第12号
発行日/1992年3月
スポンサー・ア・チャイルド(SAC)
プログラムについて
クリスチャンパートナーズでは現在48名のスポンサーが西カリマンタン(インドネシア)の子供達の学費を援助しておりますが、どのように援助がなされているか具体的に取り上げてもました。
まず始めにSACプログラムとは
スポンサー・ア・チャイルド(以下SACと呼ぶ)プログラムは、パートナーズインターナショナル(本部、米国サンノゼ)が進めている宣教活動の一つで、開発途上国の子供たちの学費を援助するためのプログラムです。
アメリカ以外にも評議会がオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリスにあり資金的にこの活動を支えておりますが、84年、日本にもクリスチャンパートナーズが発足致しました。
世界の各地域にコーディネートオフィスがあり、シンガポールには東南アジアコーディネートオフィスの本部があります。
日本のクリスチャンパートナーズからの学費は直接このシンガポール本部に送られ、そこで東南アジア分SACファンドのプールに加えられます。
私たちは現在インドネシアの西カリマンタンに住む子供たちの学費援助に限定しておりますが、シンガポール本部から私たちの援助を含めた必要なSAC資金が西カリマンタンに送られます。
開発逢上国の義務教育の現状
開発途上国によって、またはその国の地域によっては、義務教育であっても親がその学費を負担出来ないと、子供たちは必要な教育が受けられません。
私たちクリスチャンパートナーズが学費援助をしているインドネシアの西カリマンタンもこのような地域の一つです。
西カリマンタン(インドネシア)の状況
SACファンド現在、西カリマンタでは500人以上の子供たちがSACプログラムにより学校に行け入るようになっています。
学費援助を受ける子供たちには次の条件が必要です。
・親に子供の学費を出すに十分な収入がない。
・その子が教会学校に出席している。
なお、学費以外、すなわち学用品、文房具などにも私たちの援助金は使われています。
援助している子供たちの数
私たちの学費援助はSACファンドとしプールされます。
したがって私たちの援助できる子供達の数は円高、インドネシアルピア安といった為替の変動などによって変わって来ます。現在のところ私たちは一人のスポンサーで、4人ぐらいの子供の学費を援助しています。
したがって、スポンサーは自分の里子だけでなくそれ以外の子供たちも捜助しているということになります。しかし、スポンサーがいるいないにかかわらずSACプログラムの子供たちは全員、平等に取り扱われます。またスポンサーからの特別な贈物はすべてプールされ子供たちに平等に配られます。
送られてくる子供の写真について
それでは実際にはその子供だけをスポンサーしているわけではないのに、里子として一人の子供の写真が送られてくるのは何故なのでしょうか。それは、その子供のために特に祈ってほしいからです。
また、その子を通して他のインドネシアの子供たちのために祈ってほしいからです。
そして広く海外宣教のために祈ってはしいのです。そのためにはスポンサーはやはりクリスチャン、あるいは少なくともキリスト教に理解のある人が望ましいということになります。
クリスチャンの援助
SACプログラムは子供たちに必要な義務教育を与えると共に必要な宗教教育を与える場としても用いられています。
この点が他の多くの援助団体、ボランティアー活動との違いです。
私たち理事のなかに教会学校に出席することを学費援助の条件にすることに問題を感じ、経済的な理由だけで十分ではないかという意見もありました。
しかしこれは現地からの要望です。教会学校は現地での有効な宣教活動の一環となっているからです。
小さいときに教会で聖書を学ぶことの大切さはいうまでもありませんが、それとともに教会にくる子を通して、その子の親と教会を結び付ける家族伝道の大きな横会となっている、ということに私たちは注目しました。
援助に伴う問題点
援助に多くの問題が伴うのも事実です。現地の人の自立心を奪ってしまうなどというのもその一つです。
しかし子供たちに教育の概会を与えることの大切さは誰も否定できません。
教育は将来の自立に欠くべからざる資産であるだけでなく、より良い人生を送るための基礎となります。私たちはこのプログラムを始める前、学費援助に伴う弊害について話し合いました。そして弊害はないか、あっても利点が上回ると信じました。
終りに
なにぶん私たちの学費援助は遠く離れたかカリマンタンに送られます。お金の流れを含めて私たちは全てを正しく理解し把握しているわけではありません。
しかし私たちはこのプログラムを進めていく上で何かわからない点があったら調べよう、不備な点があったら正していこうと前向きに取り組んでいます。
学費を援助されている方であれば現地を訪問することは可能です。実際に自分の援助している子供たちに会い、また現地のスタッフの方と話をすることによって自分たちの援助がどれ程役に立っているかがわかるでしょう。
またシンガポール本部の責任者ポール・チャンさんが来日されたとき、講演会や現状の説明会を開きました。インドネシアで宣教師として奉仕されていた日本人牧師数名からその貴重な経験をうかがう機会もつくりました。
今後もこのような会合を計画致しますので是非ご出席いただければ幸いに思います。
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パートナーズインターナショナル
シンガポール本部の皆さん |
東南アジアコーディネートオフィスシンガポール本部の皆さんです。
写真を送ってくださり、「日本の皆さんによろしく」とのことでした。
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ボール・チャン師 |
ボール・チャン師は現在アメリカのフーラー神学校です。
その間シンガポール本部の皆さんは皆で協力して頑張っているようです。
<本・の・紹・介>
豊かな出会いのなかで
インドネシア宣教の記録 一後藤公子一
後藤公子元インドネシア宣教師が支援者に送った「インドネシアだより」をまとめられ、一冊の本として、いのちのことば社から出版されました。定価は1200円、ご希望の方はもよりの書店でご購入ください。
直接私どもに注文される場合、郵送料を別途請求させていただくことになりますのであらかじめご了承下さい(後藤公子師についてはこのクリスチャンパートナーズ通信第9号、第10号で取り上げると共に、師を囲んでの講演会を昨年6月22日に本郷学士会館で開いております)。
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後藤公子元インドネシア宣教師
昨年6月22日本郷学士会館にて |
【編集後記】
・最近会社を辞め、海外青年協力隊の一員としてソロモン諸島に渡った一人の青年からの手紙を見ました。
何とかして自立できるようにと村人と一緒に換金作物造りに汗を流しているとのこと。
その中に何と彼が現地の人と一緒に裸でカスタムダンスをしている写真がありました。
その顛のすがすがしく輝いているのが印象的でした。
・私たちは「3年後に里子数を100人に」を目標に掲げました。この目標達成には皆様の祈りが不可欠です。どうか覚えてお祈りください。
・経済問題、環境問題、人種問題…どれを見ても出口の見付からない難問ばかり。このようななかにあってこそ、私たちにできることを少しずつ、この一年地道にやっていきたいと思います。
(木ノ内記)
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