クリスチャン パートナーズ通信 第33号発行日/1997年10月31日 パートナーズインターナショナル国際評議員会議に出席して草野理事長
<説教壇のフィンリー師>
毎年開催されるこの会議は、今年はシンガポールで10月6・7日に行われました。
ご存じのようにシンガポールは、熱帯の森林のなかに開発された「東洋の真珠」と呼ばれるに、ふさわしい清潔な都市でした。あいにく、カリマンタンやスマトラの未曾有の森林火災の影響で煙霧にすっぽりと覆われ、澄みきった青空を見ることは出来ませんでしたが、目抜き通りのオーチャード街はアジア各地からの観光客で大変な賑わいでした。 早めに到着した私は、SACの事務で世話になっているシンガポール事務所のアイリーン・イークさんと打ち合せをすることが出来ました。 クリスチャンパートナーズの今年度の予算に、従来の児童の教育費や教会・学校への援助の他に、上級学校への進学奨励金を計上したことを告げ、現地の指導者がこれを有効に活用してくれるようにイークさんと相談しました。 <同労者多数と共に守る礼拝> 会議の参加者は米国・カナダ各3名、オーストラリア4名、英国・南ア各2名に私の合計15名。日本の会員にも旧知のフィンリー師は、癌の治療を受けられたのですが比較的お元気で、朝の礼拝で説教をして下さいました。 テキストとして選ばれた使徒言行録11章には、アンティオキアの教会がユダヤ人以外の人々のために建てられた最初の教会として、人種の別なく説教者を受け入れ、神に祝福されて成長し、各地の情報が豊富に集まる所となり、飢餓に苦しむユダヤのクリスチャンの窮状を知って献金を集め、バルナバとサウロに託してエルサレムに送ったとあります。 それと同じように、今日パートナーズインターナショナルは、貧しい地域のクリスチャンの状況をより豊かなクリスチャンに伝え、信頼できる組織として援助の資金を託され、必要な所に届ける重要な役割を果たしていると語られました。(フィンリー夫妻には、今年度からクリスチャンパートナーズの特別顧問になっていただきています。) 今回特筆すべきは、昨年加盟を認められた南アの代表が初めて出席し、シンガポール事務所の代表者が評議員として出席できるようになったことでしょう。 各地からの実情報告がり、シンガポールのポール・チャン師は、カンボジア。タイ・ミャンマー・マレーシア・西カリマンタンの近状をスライドなどで報告しましたが、特にカンボジアの惨状は正視に耐えぬもののようでした。 SACで援助している里子の数は世界中で6400名と言われ、シンガポール事務所が管轄する地区での合計は3130名です。その内訳は、西カリマンタン730、北タイ1300ミャンマー1100となっていました。 里親側の内訳はオーストラリア460、カナダ92、英国291、香港51、日本51※、マレーシア377、シンガポール1033、米国374、その他の地域401です。 日本の近状ついて、私はまず理事の改選を行ったことを報告し、名簿と理事会の写真を配りました。 次に西カリマンタンのSAC一本に集中してきた12年間の経験を基にして、少しづつ多角的な項目を予算化したことを述べ、各国評議員の協力を要請しました。 また日頃感じている個人的な意見として、パートナーズインターナショナルは各地の自主的発展に任せるだけでなく、国際組織の本部としての一本化された情報の作成を考えてみてはどうかとの提案もしておきました。(※支援している里子の数) 今年度の理事をご紹介します去る6月に行われて選挙の結果、向こう2年間クリスチャンパートナーズ運営の責任を担う理事6名が決りました。今年度第一回の理事会が8月8日に開かれ、監事の宮本昭子さんと、里子の手紙を翻訳してくださる安海実枝さんもご出席くださいました。 <後列→ 岩崎 鳥海 宮本 草野> <前列→ 宮澤 安海 草野 松本> カリマンタンへ行ってきます クリスチャンパートナーズ発足以来、カリマンタンにいるSACのこどもたちを訪ねたいと思っていました。
この度ようやくその願いが叶い、鳥海理事と二人、1998年1月4日出発、10日帰国の予定で実現することになりました。 シンガポール事務所のSAC担当職員アイリーン・イークさんが同行、案内してくださる予定で、マレーシアのSAC責任者であるチュア・スイ・ケン牧師も一緒にいかれます。 お祈りのうちに覚えていただければ幸いです。 宮澤玲子 「米国年次計画会議」 2 草野理事長 (第31号に続く)「祈りで援助してください」(クリントの信徒への手紙Ⅱ1:11)パートナーズインターナショナルの会議では、世界各地の問題が報告されえる度にこの聖句が引用されました。
第31号、国際会議に評議会(Council)という組織があって意志決定を行っていると申しましたが、その中のリード・カウンシル(Iead Council)と呼ばれる組織は、特定の地域の状況について詳しい情報を持ち、指導的な立場で判断を下します。 私たちと関わりの深い西カリマンタンについては、シンガポールのコーディネートオフィス(CNEC)がその役割をはたしています。 今回、最も大きなリード・ウンシルである米国の組織が、担当地域を綿密に調査し、宣教・教育・救済のニーズを満たすための募金運動をどのように行なうのかを真剣に研究している様子を、間近に見ることが出来ました。 この会議での5ヵ年中期計画や年次予算作成の手法は、まるで会社の事業計画会議です。 まず「戦略提案書」(Strategy Statement)がまとめられ、その冒頭に「我々は各地域での戦略を開始し、草の根運動を有効に機能させるために、ますます積極的に収入増に務めなければならない」と謳い、そのためにはまずより広い範囲の人々のために祈ること、募金に応じる人々に宣教現場の情報をより効果的に伝えることができる組織を創り上げることなどが、提案されました。 米国の職員は7グループに分かれ、各項目を実現するスケジュールを、収入・経費の大枠の中で5ヵ年中期計画の菅田に展開してみせる作業を、私たち他評議会の代表も参加して、半日行ないました。 これは研修であると共に、その成果は米国パートナーズインターナショナルの実行計画の作成に使われるものであるとのことでした。 最後にコメントを頼まれましたので、「今日の会議はビジネスにそっくりだったが、ビジネスと本質的に異なるのは最初に打ち出されている『より広い範囲の人々のために祈ること』にあると思う。私たちは常にこの課題と責任を深く考えていたい」と申しました。 これが、今回の米国年次計画会議から私が持ち帰った、クリスチャンパートナーズの精神的課題であると思っています。
私たちの三人目の里子、マリーナをご紹介します。 1991年10月から約4年半、私たちの里子だったエニ・スシアンチが遠くへ転居してしまったため、96年3月からマリーナの里親になりました。 彼女は現在14歳の小学校6年生で、算数と絵を描くことが大好きな女の子です。 昨年の絵のカードを送ってくれました。 お父さんが材木工場で働いているとのことなので、この夏以来続けている森林火災の影響が心配です。 里親 宮澤祐一・悦子
【理事会報告】 第92回理事会(今年度第1回)は1997年8月8日一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。1996年度決算、1997年7月会計報告承認。宮本監事の監査報告。 安海靖郎顧問の代理で出席された安海実枝さんに、里子の手紙翻訳に関する感想を伺う。 静岡市の「サンタの会」は、カナダの評議員を通してミゾラム州(インド)の養護施設を援助する。 静岡支部は、日本国際飢餓対策機構の神田氏による講演会を、静岡教会・静岡YWCAと共催(6月5日於静岡)。 第93回理事会は10月7日一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。8・9月度会計報告承認。 通信第33号原案協議、理事長の国際評議員会報告を追加して理事に第二原案を送付し再度協議の後、11月4日発送の予定。 「サンタの会」の援助金はミゾラムに送付済み。新しいリーフレットの原案について協議し、月末に専門家に成作を依頼。第94回理事会は12月19日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。 〈編集後記〉 深刻な森林火災ため、カリマンタンが連日ニュースになっています。里子や教会の人々がどんな被害にあっているか案じられますが、まだ情報が届いておりません。クリスマスカードに慰めの言葉を入れていただければ喜ぶでしょう。 (鳥海百合子) |