クリスチャン パートナーズ
通信第37号
発行日/1998年11月17日
新世紀のパートナーズインターナショナル
国際評議員会議報告〉草野理事長
英国、ドンキャスター市郊外ボートリーで、10月19日から3日間開催されたパートナーズインターナショナル(PI)の年次会議には、9カ国から34名が出席しました。
会場ボートリーホールの前で |
草野理事長 草野夫人 3名の韓国代表 |
【会議の基調】 米国のベネット理事長は、「この国際的な連帯は、互いに要求したり対価を求めたりすることのないと友誼関係であり、それぞれの賜物を相互の信頼によって結び合わせている組織である。
その運営の鍵は〈リード・カウンシル(主導評議員会)の自発的な形成にある。
それは地理的関係によって束縛されてはいないが、互いに立場や感情を尊重し合い、書く際評議員会において調整しつつ進んでいる」と確認しました。
【革新の時代】 今回は、勧告から燈臺宣教会の安牧師他2名が初めて参加し、シンガポールからは私たちに関係の深いポール・チャン師が出席したので、会議の構成が新しい時代を示すように変化しました。
西欧からの何世紀にもわたるキリスト教宣教の歴史の中で、数十年前から開発途上国の伝道者の数が多数を占めるようになってきた事実を認識し、宣教はその風土や社会の特性を心得ている現地の教職者が進める方が効果的であり、先進国からは経済的支援をもって協力するのが効率の良い体制であると強調されるようになりました。
しかし今回、韓国やシンガポールの代表によって、開発途上にあった国々も成長し、現地のキリスト者は宣教運動の中で資金を作り、近隣諸国(ビルマ・タイ・フィリピン・インドネシア・インド)にも支援を行って、宣教実績をあげている様子が語られました。
会議はこの新しい事態に対応すべく、研究委員会を設置することにしました。
報告する草野理事長 |
【日本からの報告】私たちの活動については
(1) 支援しているSAC児童数は微増に止まっているが、今後もロバン地区に援助を集中する方針である。宮沢・鳥海両理事の西カリマンタン訪問の結果、現地の様子が更によく分かるようになった。
(2) ミゾラム州の養護施設における英語教育のための援助が軌道に乗り、支援する側のグループは入会し易い組織なので、将来の伸びが期待できる。
(3) 来年から施行される特定非営利活動促進法(NPO法)下でも、当会がキリスト教に基くことは明確にしていくが、キリスト者でなくても当会の目的に賛同し、国際的な愛の連帯に協力するうちに信仰をもつ可能性もある。
(4) 現在会員数は約百名。フィンリー夫妻特別顧問、安海顧問、前理事3人の顧問に支えられて、理事6名・監事1名が“手弁当”で実務をおこなっているので、財政的には約1年分の繰越がある。
最近、理事長宅のパソコンを使ってEメールを開設した。
(cnec-kk@mail.wbs.ne.jp)
【コーヒーブレイク】 非公式に情報を交換したり旧交を温めたりするのに、急速や会食の一時は貴重な時間です。
■フィンリー夫妻の健康は充分に回復したようで、いつも私たいのために祈って下さっています。
理事会の英文議事録や、「通信」もサンオゼ在住の日本人に翻訳してもらって必ず読んでいらっしゃいます。
■ インドでのPI活動の中心になっているカナダのクロスビー氏とは、養護施設への送金方法を確認し、例年3月カナダが主催するインド・インドネシア・シンガポール視察旅行に、岩崎理事が参加を予定していることを伝えました。
■シンガポールのチャン師とは、およその来日予定や、ロバン村のヤップ牧師夫妻援助、SAC児童の高校進学のための奨学金提供の具体的な方法などを打ち合せました。
■韓国の安牧師とも親しくなり、いつか訪問してほしいと招待を受けました。
【会場のボートリーホール】 ドンキャスター市はロンドンから急行で一時間半北上したところで、ボートリーは更に車で約30分、町に入る手前に「ピルグリム・ファーザーズマン征服の頃からの由緒あるマナーハウス(荘園領主の邸宅)でした。
広大な庭にある池にはおしどりが泳ぎ、吹き寄せられた落ち葉に野兎が戯れ、いかにも絵になりそうな景色でした。
所有者が転々とした後、1990年にキリスト教団体が取得して研修センターとして活用するようになったそうです。
英国のパートナーズインターナショナルは“World Share”という名所ですが、その事務所はこのホールの横に立てられた質素な木造の平屋で、ローズ、トマス、ヒルズの三夫妻のほか職員2名がこの会議のために働いていました。
振り替えると、いつもの事ながら、勘と創造と勇気と寛容で何とか全体の雰囲気から外れずに、およその流れを掴む努力を続けた三日間でした。
事務所も職員も持てないクリスチャンパートナーズの将来に神様は何を期待されているのでしょうか。
ボランティア世界会議に参加して
松本繁雄(理事)
世界86ヶ国から様々な分野のボランティアが集まり、第15回世界会議が8月に3日~27日の5日間カナダで行われました。この会議はボランティア活動推進国際協議会(IAVE)が隔年に開催するもので、基調講演・分科会・参加者の交流・現地見学などが主なプログラムです。
今回は2年前の南ア会議に続くもので、開催地はアルバータ州の首都エドモントン州をあげて2年以上かけて周到に準備がされて来ました。
参加者は2700名、この団体としてはこれまでで最大の世界会議で、にほんからは100名近く出席、これも過去最大です。
会議のテーマは「新しい世紀に向けてボランティア活動のグローバルな追求」で、ボランティアがそれぞれの地域で取り組んでいる多様な問題―高齢化・医療・環境・災害・失業・青少年問題等々は同時にグローバルな問題であり、また、次代を担う若人のボランティア活動への参加推進にも焦点が当てられ、日本も青年の参加希望者を公募、選考して5名送りました。
昨年11月国連総会で、2001年が「国際ボランティア年」として決議されたのを受け、同年に向けてボランティア活動を盛り上げるために、それぞれの地域で積極的なPRイベントの開催、行政への働きかけ等が提唱されました。
急激に変化する世界にあって行政だけでは社会の諸問題に対応しきれなくなっており、それを補完するためにボランティアの役割がますます高まり、多様化し、専門家してきています。
アジア・太平洋地区の参加者たち 右端、松本理事 |
このような背景で、今回の会議では240もの分科会が設けられ、多くの分野の専門家・ボランティア経験者が発表し、指導しました。
そして、この機会に行政の関心を高めるため、州の首相のみならず、カナダ連邦の首相も招いて会議を大いに盛り上げたのには驚きました。
基調講演者の中で、南アフリカから招かれたヘレン・リーベルマン女史の講演はもっとも感銘深いものでした。
彼女はナチの迫害を逃れたリトアニアから移住したユダヤ人で、アパルトヘイトで差別と貧困に苦しむ黒人の地位向上や福祉のために身を挺して奉仕してきた女性で、南アのマザーテレサと言われています。
当時黒人居住地区には牧師しか入れなかったため、自らカルヴァン派の牧師の資格をとったとのことです。
教えられることの多い一週間でした。
<Selamat siang!> <今日は!> ≪僕はジョンです。(Jon) どうぞよろしく。≫ |
<Terima Kasih> <(ありがとう)> |
私の里子ジョン君をご紹介します。
出身はダヤック族、クリスチャンファーミリー、13歳で小学校5年生です。
西カリマンタン州の内陸の町ガバンに住んでいます。
毎日学校へ行く前に、両親がゴムの樹液を採るのを手伝い、学校から帰るとまた、畑で両親を助けて働きます。
長い乾期には、水不足のため作物がうまく育たないことをいつも心配しています。
学校ではサッカーをやっています。好きな課目は国語、好物はフライドチキンです。
里親の私は今、高校・中学・小学校に通う三人の子供を育てている真っ最中で、月々4千円の送金は容易ではありませんが、豊かな日本で贅沢に慣れてしまっている私たちの生活を反省し、ジョン君に思いを馳せるひとときを大切にしております。
里親 小林道子
里子宛てのクリスマスカード発送 郵送に時間がかかりますので、11月下旬までにお願いします。 ★ 内容が英文の方は、下記に直接お送りください。 宛名 里子の名前 番号 %CNEC P.O.BOX 771 TOA PAYOH NORTH P.O. SINGAPORE 913133 ★ 日本文の場合は、事務局までお送りください。 |
【理事会報告】第98回理事会は1998年9月24日(木)一ツ橋学士会館で開催。
前回議事録承認。1998年7・8月度会計報告承認。鈴木初代新監事出席。
通信第37号の内容協議、次回原案提示、11月中旬発送予定。
チャン師夫妻の来日が可能になった時の歓迎方法協議。
ロバン村の生活改善プロジェクトの支援についてシンガポール事務所にヤップ師夫妻への打診を要請。
里子の手紙の配布方法の改善。新会員2名。パソコンを導入しホームページ活用を促進。
NPO法の施行とキリスト教基盤のNGOの関係の研究が「市民活動推進協会」として発足予定。
第99回理事会は1998年11月12日(木)一ツ橋学士会館で開催。
全会議事録承認。1998年9月度理事長の国際評議会出席報告。
チャン師と理事長のロバン村・奨学金に関する話し合いの報告。
里子6名の変更、新会員1名。
通信第38号の内容協議、次回理事会で原案検討、1月下旬発送予定。
第100回理事会は1999年1月8日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。
〈編集後記〉 インドネシア情勢は相変わらず混乱している様子で、里子とその親たちの生活が心配です。
ポンティアナックの神学校の一室を借りていたCNECの事務所が新築され、引っ越したそうです。
市内の治安が悪く、神学生や教員、職員の安全を祈ってほしいと願っています。
向寒の折り、皆様の健康が守られますように。
少々早いようですが、クリスマスと新年のお祝辞を申し上げます。
(鳥海百合子)