クリスチャン パートナーズ
通信第42号
発行日/2000年 3月13日
ヤップ・プロジェクトようやく始まる
1998年1月、ロバン村を訪ねた宮澤・鳥海理事はむらの劣悪な生活環境に心を痛め、その改善に努力するヤップ牧師夫妻の苦労を知って、なんとかお手伝いしたいと思いました。
その報告を受けた理事会は、村民が最も必要としている医療を無料で提供するプロジェクトを提案し、月額1万円の予算を組んで、ヤップ牧師にその実践を促しました。
このたび、シンガポール事務所から待ちに待った報告が届きましたので、お知らせいたします。
患者登録をするヒジャント(Hijanto)医師 |
『プロジェクトは1999年7月から始まりました。
村民に医療援助をしてくださるのは、この地方で開業するヒジャント(Hijanto)医師です。12月までに診療を受けた人数は、大人75人と子供85人でした。
彼らが訴えた症状は腹痛、頭痛、発熱、咳、風邪などで、90件ほどは重病と診断されました。継続的に治療を受けた結果,大人60人と子供60人はすっかり元気になりました。
この間に、5人の村人がキリストに導かれました。このプロジェクトは、村の人々、特に大人に接触する良い機会となっています』
診察するヒジャント(Hijanto)医師 |
里子番号がRBで始まっている子供たちはロバン村に住んでいます。あなたの里子やその家族が、ヒジャント先生に診察していただいたかも知れませんね。
求む! 翻訳ボランティア クリスチャンパートナーズの事務局には、アメリカ・イギリス・カナダなど各国の姉妹パートナーズ団体からその活動状況などを報せた通信が届いています。 ご承知の通り、このたびクリスチャンパートナーズのインターネット・ホームページが開かれましたので、これら海外情報を掲載し、会員の皆さんや関心のある人々にご覧いただきたいと計画していす。 つきましては、事務局ではボランティアとして英文資料をホームページ用に翻訳してくださる方を募っております。 お志のある方は事務局またはお知り合いの理事宛てにお申し出ください。 |
パートナーズインターナショナル 元オーストラリア代表
アーサー・シンデルさんについて 草野道子(理事)
毎年開催されるパートナーズインターナショナルの年次総会の時、メアリー夫人をいたわりながら優しい笑顔を絶やさないシンデルさんにお会いします。シンデルさんは今年80歳、夫人は78歳のご夫妻ですが、何時も姿勢が良く、英国紳士らしい素敵なネクタイをなさっています。
1970年頃、オーストラリア政府の仕事で香港で滞在なさったとき、当時中国難民の子供たちを援助していたパートナーズインターナショナルのスポンサープログラムに出会われました。
この小さな子供たち一人一人を愛することが、神様の愛につながる事と深く感じられたと伺いました。
その後シンデルさんを中心に始められてオーストラリアのパートナーズインターナショナルの事務所は、シドニー市の神学校の敷地内にあって、常時25名程のボランティアが働いています。
現在、アフリカのザイールやルワンダ、東南アジアの子どもたち約1600人の援助をしているとのことです。
シンデルさんご夫妻がますますお元気で、パートナーズインターナショナルに働きを支えてくださることを祈って止みません。
ボランティア・アジア太平洋地域会議、台湾で開催
松本繁雄(顧問)
IAVE(ボランティア活動推進国際協議会)主催の第7回アジア太平洋地域会議が、去る11月6日~10日台北市で開催されました。21世紀に向け市民社会を担う若人を積極的にボランティアに巻き込むべく「若いボランティアによる新世界の創造」を会議のテーマに揚げ、下記の5項目の会議目的が採り上げられました。
1) 2001年「ボランティア国際年」に向けてボランティア活動を盛り上げる
2) アジア太平洋地域におけるボランティア・ネットワークを構築する
3)ボランティアに対する社会の認識・関心を高める
4)ボランティア及びボランティア指導者の能力を高め、地域の諸問題解決に貢献する
26カ国から900名(日本からは41名)以上が参加し、基調講演・重要課題発表・国別報告・分科会・ボランティアの関わる施設見学等々多彩なプログラムが組まれ、各国の様々な分野のボランティアとの良き交流、ネットワークの場となりました。
この会議は、新世紀の入り口になる2001年1月IAVE世界会議(於アムステルダム)、さらに同年8月長野で開催が予定されている青年ボランティアを対象にしたIAVE世界会議に繋げる重要なスタートの会議でもありました。
一方台湾側は、この機会に海外からの参加者に≪中華民国≫をPRしようと、行政も大変な力の入れようでした。そして何より、参加した現地の若人の活力には老人国日本からの参加者はただただ圧倒されました。
今回は12年振りの台湾訪問でしたが、その目覚しい発展には眼を見張るものがあり、人々はゆとりを持って繁栄を享受しているという印象をうけました。この発展のうらには、台湾人の勤勉と旺盛な企業家精神があるのではないでしょうか。
去年9月21日の地震よる災害は、中部山寄りの地帯に限られており、会議後現地に駆けつけて日本人参加者の報告では、行政、軍隊、宗教団体、国内国外からのボランティア等による救済、復旧活動が鋭意続けられている模様です。
彼らが訪問した4千棟が全壊し合計6千棟が修復不可能、100人以上が死亡、市役所・警察署・税務署が全壊、小学校・中学校が軒並み倒壊、行政機能が麻痺といった状態で、大変厳しい状況のようです。台湾人の持ち前である勤勉と創意工夫で、一日も早く復旧されることを願って、帰国の途につきました。
<セラマット君、15歳に>
セラマット君は、昨年2月に15歳になりました。父親が工場で働いている7人家族。姉1人、妹3人のクリスチャンホームです。インドネシア語の勉強と絵の好きな男の子で、毎年すばらしいクリスマスカードを送ってくれます。
昨年、彼の家族は経済的な危機に見舞われました。「物価は高騰し、しばしば暴動も起きているけれど、自分たちは神が共にいまして道を示してくださることを信じ、争う人々も神の導きで互いに赦し合えると信じている」との便りを受け取り、インドネシアの政情不安のニュースで心配していた私もほっとしました。学校の成績が良いとの報せもありました。
鈴木早苗
【理事会報告】第106回理事会は2000年1月21日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。1999年11月・12月度会計報告承認。渡辺文蔵氏より寄付10万円(第2回)受領。SAC以外の援助金活用状況報告。
ロバン村の近況報告が未着のため、通信第42号の発行を2月末日まで延期。
通信第43号の内容は次回に協議。西カリマンタンにおける奨学金制度の原案がシンガポールから到着、協議。すでに1年分の資金は送付済みなので、現地に選考委員会を組織するよう提案する。新会員4名(一グループ)、里子60名。
第107回理事会は2000年3月17日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。
<編集後記>シンガポール経由で届くはずのロバン村の近況報告を待っていて、発行が一ヶ月余遅れました。お赦しください。
新聞・テレビで見聞きするインドネシアの情勢はあいかわれず不安定で、東チモールは別として、各地で頻発するイスラム教徒とキリスト教徒との衝突が、いつ西カリマンタンへも飛び火しなしかと心配でなりません。
先住民ダヤックと中国系の人々との軋轢も下地になって、小さなきっかけですぐ大火になる歴史を繰り返している国情ですから。現政権に反対で社会混乱を画策する人々が、不満分子を扇動し、進行の違いを利用して騒ぎを起しているとの見方もありあす。
里子たちが安心して学校に通える日が早くきてほしいものです。
昨年11月に、西カリマンタンの教会がジャカルタ教区から分かれて、自立した1教区になることを決意したとのことです。ポンティアナール市近郊のコタバル教会では、1年前から教会学校の生徒200人(3~13歳)に、卵・牛乳などの給食などの給食を脱しているそうです。
桃の節句も過ぎました。楽しいことの多い春でありますように。
(鳥海百合子)