クリスチャン パートナーズ
通信 第44号
発行日/2000年7月22日
理事長 草野計雄
クリスチャンパートナーズの発足から15年が経過しました。理事会では、来年2月頃会員の皆さんにご出席いただける集会を開きたいと考えています。この間に頂いた援助金の累計は3,017万円に達し、参加してくださった個人・グループ会員合わせて240名になっています。
一回でも援助してくださった方のお力は、総て神様のご用に立っていることを覚えて、私たちはお名前を大切に保存しています。
こ承知のように、私たちも今ではパートナーズインターナショナルの責任ある一員として成長しつつあり、インターネットやホームページでたえず海外と活動状況を交換し、互いに励まし合っています。これからは、これらの情報を分かり易く会員にお伝えすることを工夫していきたいと思っています。
海外の事情が身近になると、今まで以上に多くのことに注意を向けねばならなくなりますが、国際的なコニュニケーションを豊かにすることを通して、新しい世紀における祝福された生活が、私たちに与えられるのではないでしょうか。
ロバン村の子供たち |
「通信」第43号でお知らせしたように、シンガポール事務所が米国の組織から独立し、今までの活動実績に加えて東南アジア各地で力を発揮し始めました。
経済的に豊かであるはずの社会に属するものとして、これを傍観してはいられない思いがしています。
この号でご報告する決算・予算からお察しいただけるように、SACによる西カリマンタンの児童への教育援助・宣教活動援助は私たちの活動の主軸であり、その効果を上げることを願って高校奨学金制度の導入やロバン村の医療活動の定着を模索しています。
この他にも私たちは、新しい世紀の幸福に貢献できる養護施設での英語教育援助や、東南アジアPIから要請がきているミャンマーでの宣教・福祉活動への援助、各地のパートナーズインターナショナルが行っている難民救済活動への援助などにも協力して、第二第第三の柱を立てていきたいと願っています。
クリスチャンパートナーズのホームページ
岩崎俊夫 (理事)
「通信」の表紙上段の右には、発行所の連絡先が三つ書かれています。一番上が電話とファックスの番号、二段目がインターネットのEメールアドレス、そして一番下に書かれているのがインターネット、・ホームページのアドレスです。
訳のわからない記号のような文字や数字が並んでおり、インターネットを使いつけない人には一見近付き難い感じを与えますが、文字通り住所を示す記号で、世界の無数のホームページの中からたった一つの住所を識別するのですから、少々記号の羅列が長くなっただけなのです。
インターネット関係の記号の中で、最初に[http]という文字記号が出てきたらホームページのアドレスだと思ってください。Eメールとホームページの違い、それは手紙とカタログの違いです。E-メールは読んでほしい人にだけ送るものですが、ホームページは誰にでも読んでもらえるように内容が一般に公開されています。そのアドレスにアクセスすれば誰でも読めるのです。
さて、あなたのコンピューターをインターネットにつなぎ、このクリスチャンパートナーズのアドレス記号を所定の場所に打ち込むと、この「通信」でお馴染みのSACのロゴマーク、手をつなぐ子供たちの画像が目に飛び込んできます。ホームページの表紙ページです。
このページに内容を日本語で読むか英語で読むか選択するボタンが用意されています。クリスチャンパートナーズは世界中に仲間がいるので英語版もあるのです。日本語の方のボタンを押してみましょう(内容は英語でも同じです)。次のページが出てきます。
ここには「設立の趣旨」・「活動の実績」・「現在の活動 (海外)」・「現在の活動(国内)」・「里親を待つ子供たち」・「援助金の活用状況」・「里親になるには」という八つのセクションの表題が並記されており、選択ボタンを押すことで、読者の望む部分を選んで読めるようになっています。このようにホームページはどんなに内容が多くなっても、この選択システムを活用することによって、望むところだけを素早く取り出して読むことができるのです。
もう一つの利点は、関係のある他のホームページへも繋ぐことができるということです。
第43号で紹介した英国PI【ワールドシェア】のモザンビーク援助の記事は、私たちのホームページから【ワ-ルドシェア】のホームページに移って読んだ内容を要約したものです。この他米国にあるPI本部のホームページも、私たちのホームページを通して読むことが出来ます。いずれも英語なので、それらの記事のうち適当なものを日本語で読めるようなページを設けたいと思っています。
まだ開設したばかりのホームページですが、これを見て問い合わせをしてくる人や協力しあいたいという団体などがぽつぽつ出てきています。例えば、インドのミゾラム州で農林業の指導をしているNGOが、私たちの同州での援助活動を知って連絡してきました。事務局ではこうした反応に勇気付けられており、インターネットを通じた連絡の輪をさらに広げたいと思っています。この「通信」も会員の大事な連絡・交流の手段として充実させていくつもりですが、是非皆さんも知り合いの方々に、私たちのホームページをご覧くださるようお伝えください。
監査報告書 |
本の紹介
夏休みが近付きました。小さな方々と一緒に、里子の住むカリマンタン島の異なる姿を知り、日本との関わりを考える機会を提供する本をご紹介しましょう。沢山の魅力的な写真とやさしい言葉で書かれている本文は、誰にでも楽します。
写真・文 川 端 裕 人
『オランウータンに森を返す日』
旺文社 ジュニア・ノンフィクション
定価 本体1,238円(+諸費税)
1999年6月、大阪のペットショップで子供のオランウータン4頭が違法に売られているのが発見され、経営者は逮捕、オランウータンたちは神戸市の動物園で保護されているというニュースを、思い出される方も多いと思います。
報道記者であった著者川端氏は、ワシントン条約で絶滅危惧種として輸入が禁止されているこの類人猿が、日本で売買の対象になっていたことに非常に驚き、調査を開始しました。
そして、ペットブームと野生動物の関係から、オランウータンの生息地インドネシアと日本の複雑な経済関係にまで深く分け入って、問題の深刻さと私たちの責任を考えさせる報告を書きました。
カリマンタン島(ボルネオ)は世界第三の巨大な島です。里子たちはその西の端、ポンティアナック市を中心とした西カリマンタン州に住んでいまが、オランウータンは主として東と南のカリマンタン州の森にいて、保護活動にはその辺りに住むダヤク族の人々も参加しています。
インドネシア語でオラン(orang)は「人間」を、ウータン(hutan)は「森」を意味しますから、オランウータンは森の人なのです。本の題名「オランウータンに森を返す日」は「‥を森に‥」ではない所に著者の思いが込められているようです。
SAC会員の異動 (通信 第40号 1999年7月掲載以降、敬称略・アイウエオ順) 新入会者:伊藤景子、河野和雄・美子、早川和夫・信子、松井慎吉・尚子 田園調布教会シオン会(婦人会)有志8名加入により計10グループ 退会者 :岡野潔・美子、金沢とし江、熊井秀憲・よしみ、小杉尅次・節子、園田純 |
私のはじめての里子となってくれたコン・ス・リンちゃんは、ロバン村に住む13歳の女の子です。
この写真は11才の時のものですので、今ではもっと大人っぽくなっていることでしょう。
彼女のお父さんは亡くなったようで、現在はお母さんと妹の3人家族です。お母さんの宗教は仏教、でも自分はクリスチャンです、とはっきりとした自覚を持っています。昨年のクリスマスに送られてきたカードには、真っ赤な十字架が2000という数字と共に大きくシンプルに描かれており、大変印象的でした。
私はコン・ス・リンです、どうぞよろしく |
<Selamat siang !>
<こんにちは>
<terima Kasih>
<ありがとう>
カードの他に手紙を二度もらいました。
クリスマスのプレゼントにビスケット、ミルクの缶、石けん、歯磨き粉を贈られたと感謝を記してくれましたが、こちらこそ感謝したいです。
仕事に意味をあまり感じられない時には、コンちゃんのことを思い出して元気を出しますから。
これからも得意な絵を描くこと、インドネシア語文法にますます取り組んでほしいと願っています。
国見俊介
2000年度の<国際評議員会議>(International CounciI Meeting)
タイ国、チェンマイ市で10月29日から11月1日まで開催
日本からは草野理事長と宮澤・鳥海理事が出席予定
【理事会報告】第109回理事会は2000年7月14日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2000年5月・6月度会計報告承認。1999年度決算・2000年度予算承認。監査報告書受理。通信第44号原案を討議、修正・加筆の上、22日発行。第45号の内容について協議、次回理事会に原案提示、10月中旬発行予定。松本顧問にUNボランティア年関連の寄稿、インターネットのPIニュースの翻訳を依頼する。「会員の集い」の日時・講師について協議。第110回理事会は2000年9月22日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。
<編集後記>残念ながらロバン村のニュースはシンガポールから届かず、今号にも間に合いませんでした。キリスト教徒とイスラム教徒の対立といわれる騒乱はインドネシア各地に広がっていく様子ですが、西カリマンタンに飛び火しないことを祈ります。
第42号でご紹介した元オーストラリアPI代表アーサー・シンデル氏が、去る5月召天されました。メアリー夫人のうえに主の慰めがありますようお祈りいたします。
暑さの中、皆様お体をおいとい下さい。
(鳥海百合子)