クリスチャンパートナーズ
通信 第45号
発行日/2000年10月2日
米国パートナーズインターナショナルの中にある中国室では、世界各地にいる中国系の人々にパートナーズの働きを伝え、協力を得るため中国語の「通信」と発行しています。 今回送られてきた【協傳2000夏】号を、島田幸子さんに翻訳していただきましたので、内容を要約してご紹介します。 島田さんは静岡YWCA会員で、洋裁教室のお仲間をしてグループでSACの里子を援助してくださっている方です。猛暑の中のご奉仕を感謝いたします。 |
ベトナム戦争が終結し、米国がインドシナ半島から撤退してから20年近く、ベトナム・ラオス・カンボジアは門戸を閉ざし続け、この地域は人々から忘れ去られてしまったかのようでした。
この三国は社会主義政権下にあて経済の発展、国民生活の向上は緩慢で、宗教、とくにキリスト教の信仰に対しては監視が厳しい状態ですが、神はこの土地をお忘れにはなりませんでした。多くの奉仕者が黙々と働いて、豊かな実りを得ています。私たちはこの国々の同労者と協力する機会を与えられてことを、神に感謝しています。この地域の幾千万の魂の救いを忘れてはなりません。
ベトナムからの便り
迫害のなかでも教会は数を増し、昨年秋の3ヶ月間に3千人近くが主に従う決意をし、300人が受洗、120余の集会所が発足したそうです。
決意を表明する青年たち |
ビデオテープ「イエス伝」を観て信仰に導かれた人が500人を超えたので、新しく2万セットを製作する許可を取り、福音が伝えらたことのないメコン・デルタ地帯の村落で上映するため、小型船の購入を計画しています。
「家の教会」と呼ばれる、家庭を開放して礼拝や聖書研究の集まりをする運動が盛んになっています。
山間地の「家の教会」 |
一例では、キリスト教の葬式に参列して福音に接した女性が信仰に目覚め、素行の悪い夫を改心させて、夫婦そろって伝道に努めた結果、親戚友人60余人が主に導かれました。
警察は彼らの伝道を禁止し、再犯の場合は刑務所に入れると脅しましたが、この夫婦はその村で最初の「家の教会」を始めました。いま彼らが切望しているのは伝道師の訪問指導です。
ラオスの情勢
全国福音協会建設運動の責任者である陳伯牧師は、長年政府の監視下にありましたが、事態が悪化したので、ラオスのクリスチャンたちは牧師の安全を思い、また他国の人々に実情を伝えたいと考えて、躊躇する牧師を無理に国外に送り出しました。
出発当日、政府がある地区の牧師と信徒の指導者を刑務所に監禁したという情報が入ったので、陳伯牧師は非常に心配し、国外から電話で様子を聞きました。
慎重な、しかし明るい小声で「刑務所にはクリスチャンが20人入っています。」という返事が返ってきました。
「入られたのは10人ではなかったのですか?他の人は身を隠したはずなのに。」
「刑務所に入っていた犯罪者10人が、もう導かれたのです。」これこそがラオスの兄弟姉妹なのだと、陳伯牧師は確信しています。
迫害の中にあっても、伝道に従事するこのような勇気ある人々の働きによって、1999年中に少なくとも9万人が福音を聞き、方々の集落から来た人々5千人が主を信ずるようになりました。
そのほか700人以上が受洗し、22ヵ所に教会が建てられました。
緊急の課題は伝道師の訓練センターの設立で、一ヵ所作るのに13,000ドルが必要だといわれています。
カンボジアの現状
カンボジアはクメールとも呼ばれ、タイとベトナムに挟まれた人口約1100万人の国です。
一世紀近く隣国と列強に侵略され続け、内戦も頻発した歴史を未っています。特に1975年から79年にかけての4年間、ポル・ポトの指導するクメール・ルージュ政府が当時の人口の3分の1にあたる200万もの同胞を殺害しました。
25年にわたった内戦は終結しましたが、満身創痍のカンボジア社会では総てが今後の復興にかかって言えるでしょう。国民の恐怖心はだ消えず、悲しみに打ちひしがれ、空虚な精神状態にあります。
カンボジア国民にとって今、もっとも必要なものは福音―キリストの救いです。しかし、カンボジアは長くヒンズー教、仏教の影響を受けてきたため、偶像崇拝、汎神論的な信仰がはびこっています。クリスチャンは全人口の0.4%に過ぎません。
テントの下での集会 |
しかし、カンボジアではキリスト教はすでに合法的な宗教になりました。クメール・エヴァンジェリカル・アソシエーション(KEA)は、全国で開拓、宣教、教会建設を進めています。
8村を1地区として各地に教会を一つ立てるという計画をもっていますが、テントの下で集会を開いている教会を援助して、会堂建設を促進するのが当面の急務です。
首都プノンペンから南に50キロほど言ったオー・アンダウン村にある教会の隣に研修センターを建て、信徒30人がここで研修を受けられるようになれば、その後半径80キロ内の少なくとも5千人に福音を伝える事が出来るようになるでしょ。
憲法では信教の自由が保障されていても、政府はキリスト教に対して余り友好的ではなく、発展をできるだけ抑えようとしています。
しかし教会は各地で光と塩の役割を果たしコミュニティーの中心となっている地域もあります、ここでは、信徒100人を収容できる教会堂を1年以内に2ヵ所建てたいと願っています。
カンボジアの伝道に携わる人々の仕事量は膨大です。通常、信徒には家族・親戚の縁を頼って近隣の村落に福音を伝えるように指導しています。
「生命の河」教会の洗礼式 |
信徒が増えたら集会を発足させ、そこに伝道師が指導に行くようになります。
1996年に始まった「生命の河」教会は全国22の省(=けん)に教会を建て、研修センターにする目標を立てました。
これまでに10省に福音の拠点が作られ、12省から援助要請が来ています。
このような環境に信徒を派遣するには、最も経済的で便利な交通手段はオートバイです。
その必要が満たされることを願っています。
インドシナ半島の各地で苦闘するクリスチャンのためにお祈りください
International Year of Volunteers
世界的にボランティア活動を盛り上げるため国連は2001年を【国際ボランティア】(IYV)に指定し、世界各地でそのためのいろいろな行事が計画されています。
IAVE(ボランティア活動推進国際協議会)もこれに呼応して、2001年1月14日~19日にオランダのアムステルダムで世界ボランティア会議を開催する準備をすすめており、IYVのキックオフ・イベントそして注目されています。
これには70カ国から、ボランティアのみならず、行政・企業関係者も含めて700名(日本から50名)の参加が予定されています。
国連もこの会議開催の意義を深く理解し、アナン事務総長の出席が決定しています。
この会議では、21世紀のボランティア活動推進の核として青年に焦点を当てるため、ユース・フォーラムが本会議に平行して開催されます会議のテーマは「新世紀を支えるボランティア」で7つの基調講演と8つの分科会が準備され、次の7トピックが議題となります。
1) ボランティアと行政との関係
2)ボランティアと企業社会、そのパートナーシップ
3)ボランティアの新たな在り方と専門性
4) 社会の新生と変化の機動力としてのボランティア活動
5)青年とボランティア活動
6)ボランティア活動の多様性
7)ボランティアの顕彰・弁財・資格
以上が会議の概略ですが、詳しくはIAVE日本事務局(電話03-3351-5130,Email:iabe@po.cnet-ta.ne.jp)にお問い合わせください。
松本繁雄 (顧問)
長い間私たちの里子であったカルティカちゃんは、このたび「通信」に登場してその成長を楽しみにしていましたが、教会に来なくなってしまい消息がわからなくなりました。
とても残念です。代わりに昨年からリアピアナちゃんが新しい里子になりました。
私はリアピアナです、どうぞよろしく。 <Liapiana> |
<Selamat Siang!>
<今日は!>
<Terima Kasih>
<ありがとう>
彼女は小学5年生、ダヤック族、両親は農業を営み、学校に行っているお兄ちゃん、すでに働いているお姉さんとの5人家族で、クリスチャンファミリーです。スポーツと自然科学がスキで成績もよく、教会学校の活動に熱心です。
困難の多い人生を立派に生き抜いていける信仰の養いが豊かにあるように祈っています。
宮澤恵二・佳也子
東京福音インドネシア教会第11回創立記念礼拝 東京とその近郊に在住するインドネシア人クリスチャンのための教会は、今夏11年目の一歩を踏み出しました。 安海牧師のお招きを受け、8月27日の祝賀の席にクリスチャンパートナーズを代表して宮澤・鳥海理事が出席しました。 茨城県大洗には主としてスラウェシ島出身のインドネシア人クリスチャン多数、水産加工工場で働いていて、5年前そこに第一伝道所が開かれ、第二伝道所は鈴鹿市の自動車工場で働く人々のために開かれたばかりです。 それぞれに同国人の牧師が派遣されていて、近々東京にもカリマンタン神学校出身者が赴任、安海先生を補佐するそうです。 大洗からバス4台で祝に掛けつけた300人を加え、インドネシア人学校の行動に溢れた参加者は、世界宣教研修センターの飯塚俊雄の説教を安海先生が通訳されるのを拝聴し、エレキギターやキーボードのにぎやいかな伴奏で賛美歌を高らかに歌い、婦人会の心尽くしのお弁当を頂きました。 安海夫人、実枝さんも合唱に接待に大活躍でした。 私たちの身近に、これほど多くのインドネシアのクリスチャンがいらっしゃることを初めて知り、その純真な信仰の発露に深い感銘を受けました。 |
【理事会報告】
第110回理事会は2000年9月22日一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。
2000年7・8月度会計報告承認。通信第45号原案を承認、10月2日発行。
第46号の内容は評議員会議・西カリマンタ訪問報告などで1月理事会後発行。
「会員の集い」は2月24日(土)午後2-4時一ツ橋学士会館にて開催、講師は関西聖書学院長太田裕作師。草野美智子理事9月末を以て辞任。
第111回理事会は2000年11月17日学士会館で開催。
<編集後記>10月23~27日、宮澤理事と西カリマンタン再訪を計画しています。その後、タイのチェンライで開かれる国際評議員会議(10月29日~11月1日)に、理事長とご一緒に出席します。
理事長は会議の前後に、タイとミャンマーで同労者の活動を視察される予定です。安全な旅行ができますようお祈りください。
(鳥海百合子)