クリスチャン パートナーズ
通信 第55号
里子たちの2001年
2001年には796名の里子が、スポンサーから滞ることなく送られてくる援助金とお祈りに支えられました。心から感謝いたします。
★学用品の現物支線
2001年1月から、教育費を現金で配るほかに、学用品を渡すことを始めました。
書籍・筆記用具・定規・絵画帳などですが、事務所でまとめて購入することで単価が低くなり子供たちが受け取る個数が増えたので親にも好評です。
牧師たちは学用品を配布するために里子の家庭を訪ね、これを教会に来ない家族に福音を伝える機会にしています。この新しいやり方は、経済危機の中でSACの援助がなければ子供を学校に通わせられなくなる家庭に、神の愛を知らせる有効な方法となっています。
★青少年キャンプ
7月3日~5日にシンカワン市郊外で行われたキャンプには、延べ430名が参加しました。
キャンプ場の前で全員整列 |
援助を受けている子供も受けていない子供も一緒にイエスのことを学び、霊的な栄養を与えられました。11名がイエスを救い主と信じ、9名が主に従おうと決心し、11名が学校にきちんと通うことを約束しました。
その他、教会学校の生徒たちのために夏休み中やイ―スタ―に、聖書を学ぶ機会を3箇所で計画し、510名が参加しました。
★教会学校教師研修
7月4日~7日にボンティアナック市で研修会を開催、80名の牧師や教師たちが参加しました。
内容は福音の効果的な教え方でした。
★クリスマスと誰生日の贈り物
今年のクリスマスギフトはビスケット1袋・チョコレートウエフアース1袋・粉乳2箱・栄養食1箱・ジュース6袋でした。
里子たちはクリスマスにこれを家族と分け合いました。
教会学校の生徒たち |
誕生日には、里子一人一人に大きなバスタオルが贈られました。
このようなことは教会学校の生徒たち滅多にないので、子供たちは深く感謝しています。
インドネシアでは、年末は安全でない場所が多くあります。
クリスマスイヴには騒乱や爆破事件がよく起こります。しかし2001年のクリスマスは平穏で、経済危機は相変わらずですが、村の教会ではクリスマスを楽しく祝えました。
ダンスや劇やいろいろのプログラムがあり、里子たちはもちろん参加しましたが、その他に村の家々を訪ねてクリスマスのよき訪れと新年を祝う言葉を伝えました。
★職員と管理運営について
コンビュ―タやインターネットは私たちの仕事を助けてくれます。ボンティアナック事務所には職員が4人になりました。
ボドック地区で働いていたジョニ(Joni)が1月からボンティアナックに移ってきました。
ボドック地区には300名以上の里子がいるので、セティアバクティ中学校のデイアト(Diad)先生に手伝っていただくことになりました。
★フィリピンセンター
ボンティアナツタ市からはるか東の奥地スカダウに、11月25日養護施設「フイリピセンター」が開設されました。
新設のフイリピセンタ― |
15名の子供たちが現在そこで生活し、教育を受けています。
そのうち数人を紹介すると・
メリタ(Merita)
ある日弟が、仕事から帰ってきた父親を迎えに道路に飛び出しバスに轢かれて死亡、そのため母親の精神状態が悪化し3ケ月後に亡くなりました。
そのショックで父親は働かなくなりいろいろ問題を起こし、メリタを世話していた姉も自分の家庭の問題と貧困に悩まされて責任を果たせず、彼女はセンタ―に入ることになりました。
今、心の傷を癒しながら暮らしています。開所式では「主われを愛す」を泣きながら歌ったそうです。
ダニエル(Daniel)
小さい時に母を亡くし、その結果父親は働かなくなり、姉が世話していましたがいつも極度の貧困でゴミ箱をあさって飢えを凌いでいました。
今はセンタ―で正常な生活を送れるようになりました。
ニクデムス(Nikedemus)
やはり小さい時に母を亡くし、父親の稼ぎは少なすぎ、村には世話をしてくれる人はおらず、姉は聾唖の障害を持っています。
センターに来て体重が増えました。
開所式に出席したシンガポール事務所の ポール・チヤン師を囲む子供たちと職員 |
西カリマンタンでの教会の働き
★組織上の変化:
今までジャカルタ教区に属していた西カリマンタンが、独立した教区になり、60余名の働き人を擁して活動を始めました。
★極小企業資金貸し付け(Micro Enterprise Fund):
インドネシアの経済危機は人々の生活を痛めつけています。
西カリマンタンの教会は8割が農村にあり、会員にはダヤク族が多く困難な暮らしをしているので、教会で働く人をサポートできません。東南アジアパートナーズは、2001年にMFFプログラムを発足、教会のある地域社会を活性化する成果をあげました。
その他胡椒・とうもろこし・ゴムの樹の栽培や豚の飼育も始めました。
これらの計画に参加することで、教会員は貧困から脱却し、やがて自立して、外からの援助に頼らずに教会を自分たちのカで支えていけるようになるでしょう。
バンドンとジャカルタの教区から多量の衣服・ゴム靴・医薬品が寄贈されたので、村に住む貧困家庭に配りました。ボンティアナツク市内の教会員たちは豊かではありませんが、それでも物資を集めて農村地帯の教会を訪問し、福音を分かち合いました。
★教会堂とその他の施設:
2001年に教会堂が2つ完成し、養護施設「フイリピセンター」も開設されました。
これらは東再アジアパートナーズや地域の教会員からの献金によるものです。
セティアバクティ中学校には、ジャカルタの教会から多額の援助を受けて、教室が2つある校舎が新築されました。エンパオン村で評判の学校になるでしょう。
(こには里子が何人も学んでいます)
西カリマンタン教区責任者バクリ・リー牧師と御家族 (この後、もう一人 増えました) |
Selamat siang (今日は!) 《僕はヌ・ミン・ペンです、どうぞよろしく》 |
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Terima Kasih (ありがとう) |
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Ng Min Pen |
私たちの里子ミンペン君を紹介します。1999年11月、初めて彼の写真と自己紹介を受け取りました。
彼の家は仏教、中国系で両親、姉2人、妹1人、弟3人の家族です。
お父さんは工場で働いています。
彼の好きな学科は算数、趣味は釣りとのことです。
2000年にはお母さんと一緒の写真が、2002年1月に15歳になった写真が送られてきました。
ずいぶん背も伸びたようで、顔も大人びてきたようで、私たちは嬉しく思っています。
勉強に励み、教会学校の活動にも参加して、信仰深い少年になってほしいと、私たちの
小さなからし種が大きく実を結ぶことの出来るよう、祈りの中に里親のお役目を果たしたいと思っています。
田園調布教会シオン会里親グループ
荒くみ子、平富千代子、森本貞子、吉野和子
(グループを代表して荒さんにお書きいただきました。)
【理事会報告】第122回理事会は2002年9月20日(金)一ツ橋学士会席で開催。前回議事録承認。2002年7・8月
度会計報告承認。「通信第55号の内容は西カリマンタンの2001年活動報告の要約と里子紹介で、11月中旬発行予定。
アンチオケ宣教会に西カリマンタン奥地の教育支援として25万円送金。安海牧師引率の東南アジア視察旅行(1~2月)
の可能性を協議。第123回理事会は2002年11月28日(木)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2002年9・10
月度会計報告承認。「通信第55号は11月30日発行。東南アジア視察旅行日程は2月3日~14日、インドネシア・
カンボジア、ベトナム訪問の予定。オーストラリアPIコーエン氏のメッセージを岩崎理事の訳でホームページに掲
載。日本国際飢餓対策機構主催の「キリストの精神に基づく海外協力団体の集い」に竹澤理事出席。20周年記念事業案
の話し合い。第124回理事会は2003年1月24日(金)、一ツ橋学士会館で開催予定。
<編集後記>第51号にインターヴユーを掲載した渡邉文蔵氏が10月29日召天されました。最高齢の会員として長年当
会に深いご理解とご協力いただいた方です。心からの哀悼の意を表します。西カリマンタンでは今年も雨が降らず、煙
害が人々の健康を損なっているとのこと。呼吸器を痛めて学校に通うことが出来ない子供たちもいるとのことです。冬
が早々と到来のようですが、寒さの中くれぐれもお大事に。
クリスマスのお祝詞と新年の御挨拶を申し上げます。
鳥海百合子