クリスチャン パートナーズ
通信58号
新年度を迎えて
【国際団体の方針】
1984年に発足した私たちは、国際団体パ-トナーズインターナショナルの基本方針に従って、国際的な協力の態度や動向についての情報提供を受けて育ってまいりました。
ある国の中での宣教は、その地の人々に任せていく方が効果的であるから、パ-トナ-ズインターナショナルは主として資金面での支援をするというのがその方針であり、現地の教会や神学校の建設・開拓伝道・教会の自立・小中学生の教育などの援助をしてきました。クリスチャンパ-トナーズもそれに従い、活動の中心をSAC(精神里親運動)において、今日までやってきました。これは引き続き私たちの中心的活動として、大切に育てていきたいと思います。
【SACの築く世界の平和】
真の世界平和の礎は、隣人愛を個々人の生活感情の中に育てることであると私たちは考えてきました。
私たちの活動はキリストによる隣人愛に基づくものであり、パートナ←ズインタ←ナショナルはこの共通の倍条を互いに確認し合い、宣教現場の状況の見聞を分かち合って、互いに励ましあう集まりであります。私たちが海外の経済的に恵まれない子供たちのために里親の気持で援助することは、現地に成果を残すだけでなく、他ならぬ私たち一人一人が世界平和の礎であるキリストの愛を実践することだと思って、このボランティア活動を続けています。
ロバン村のSAC里子 |
【アンチオケ宣教会との出会い】
昨年度の諸活動の中で特筆すべきはアンチオケ宣教会との協力関係の形成です。宣教会を通して、私たちは西カリマンタンの奥地シンタンにあるインマヌエル中学校生徒17名に学資援助を、セイダウン村のインマヌエル小学校の教師2名に給与補助を、そしてボンティアナツタ市内在住の大学生5名に学資援助を開始しました。また、今年2月には役員4名が、宣教会総主事の安海牧師の案内で現地を訪問することが出来ました。(詳しくは「通信」第56・57号またホームページをご覧ください。)
タンデイル校長 木ノ内監事 |
セイダウン小学校の1年生 |
宣教会から派達され、アンジュンガン神学校で教鞭を執っておいでの高橋めぐみ宣教師が支援金の現地での管理をして下さっていますが、去る6月13日、帰国中の高橋宣教師を理事会にお迎えして、現地の情勢を伺い、今年度の援助について細かい話し合いをいたしました。
アンテオケ宣教会とクリスチャンパートナ-ズは、異なる歴史を持って育ってきた団体でありますが、これから協力体制を構築するに当たり、会員の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
奨学金候補生が現れました
SACの支援で高校までの学業を終えた後、上級学校へ進みたい生徒が現れたらと、何年も前から予算を取って用意していましたが、ようやく希望者が名乗り出ました。
ヴァレンティナ・パトリシア
Valentina Patricia
1984年8月8日生
今春、高等学校3年生で自然科学を学んでいるヴァレンティナ・パトリシアは、父が牧師をしているクリスチャンホ-ムに育ち、教会学枚での奉仕を通して信仰を育まれ、神学枚入学を希望しています。
学校に行っている妹のほかに、まだ小さい妹が2人います。 ダヤク族です。
リンダ
Linda
1982年6月6日生
農業を営むクリスチャンの両親に育てられたリンダは、職業訓練校で秘書になる勉強をしていますが、教会学杖の教師をしていて、やはり神学校に行きたいと望んでいます。
姉と妹もクリスチャンで、姉は農業をし、妹は学校に行っています。
理事会はシンガポール事務所からの推薦を受け入れ、初めての試みとして、この二人が希望する学杖に入学できた時、学費・宿泊費・交通費を含めた奨学金を支給することに決定しました。
ニ人とも寮生活をしなければならないでしょうし、親元からの旅費も必要になると思われます。シンガポールからの朗報をお待ちください。
2002年7月1日~2003年6月30日
収入の部 | 前年度繰越 | 1,278,061 | (単位円) |
SAC援助金 | 3,169,000 | 注1 | |
その他援助金 | 717,000 | 注2 | |
雑 収 入 | 295,973 | 注3 | |
合計 | 5,450,034 |
支出の部 | SAC援助金 | 2,679,000 | 注4 |
ロバン柑援助金 | 50,000 | 注5 | |
ミゾラム援助金 | 200,000 | 注6 | |
同労諸団体協力 | 501,744 | 注7 | |
進学奨励金(積立) | 0 | (但し下記積立) | |
広報・通信・情報費 | 472,949 | 注8 | |
その他事務経費 | 406,462 | 注9 | |
行事関係費 | 4,251 | ||
積立金繰入 | 200,000 | (進学奨励を含む) | |
合計 | 4,513,406 |
次年度繰越 | 936,828 |
積立金繰入内訳 | 2002年度末積立金 | ||
事業開発基金 | 0 | 事業開発基金 | 3,088,000 |
緊急援助準備 | 100,000 | 緊急援助準備 | 900,000 |
進学奨励積立 | 100,000 | 進学奨励積立 | 720,000 |
注1 支援里子数は2002年度月平埼72名。
注2 《サンタの会》、田園調布教会など。
注3 満期彦額貯金利子
注4 誰生日・クリスマスギフトを含む。
注5 教会学校教材・青年プログラム支援など。
注6 英語教室支援2003年6月まで送金済み。
注7 アンチオケ宣教会を通しての学資・教師給与補助。ジャワ島アレセイア神学校後藤金子師後援。
注8 「通信〕4回発行
注9 パソコン処理等
監査報告書 私は2002年7月1日より2003年6月30日に至るクリスチャンパートナーズの会計年度の監査 をいたしましたところ、諸援助金の受領・領収書の発行・台帳記帳、ならびに援助金の海外送金・諸経費支払いの証拠書類及び理事会に対する報告書・年次決算書等は何れも正確且つ適切に処理されており、予算は諸状況に応じ、会の趣旨に沿って適切に運営されていることを認めました。 会員の皆様のいっそうの御協力をお願いいたします。 2003年7月31日 クリスチャンパートナーズ
監事木ノ内和美 |
2008年7月1日~2004年6月30日
収入の部 | 前年度繰越 | 936,628 | (単位円) |
SÅC援助金 | 3,500,000 | 注1 | |
その他援助金 | 700,000 | 注2 | |
雑 収 入 | 143,200 | 注3 | |
合 計 | 5,279,828 |
支出の部 | SAC援助金 | 2,636,000 | 注4 |
ロバン村援助金 | 100,000 | 注5 | |
ミゾラム援助金 | 200,000 | 注6 | |
同労諸団体協力 | 630,000 | 注7 | |
進学奨励金 (積立) | 0 | (但し下記積立) | |
広報・通信・情報費 | 400,000 | 注8 | |
その他事務経費 | 600,000 | 注9 | |
行事関係費 | 10,000 | ||
積立金繰入 | 200,000 | (進学奨励を含む) | |
合 計 | 4,776,000 |
次年度繰越 | 503,828 |
積立金繰入内訳 | 2003年度末積立金 | ||
事業開発基金 | 0 | 事業開発基金 | 3,088,000 |
緊急援助準備 | 100,000 | 緊急援助準備 | 1,000,000 |
進学奨励積立 | 100,000 | 進学奨励積立 | 820,000 |
注1 支援里子数は年間月平均72名の予測。
注2 前年度実績とほぼ同じ。
注3 満期定額貯金利子。
注4 発生日・クリスマスギフトを含む。
注5 緊急要請に応える準備。
注6 インド、ミゾラム州英語教室支援、例年通り。
注7 アンチオケ宣教会30万、他国PIからの要請に10万、後藤金子師へ3万。
注8 「通信」4回発行予定、ホームページ更新等。
注9 会計業務システム化等。
SAC会員の異動(「通信」第41号 2002年8月掲載以降、敬称略・アイウニオ順) 新入会者:小川ひとみ、庄司 恒、鈴木健二、鈴木郁子、萩原博子、春名喜久枝、 D.ブラウン、増田嗣郎・伸子、三浦りよ子、森村宏子、柳谷迪子、渡辺香代子 退会者:飯坂きよ子、五十嵐不二子、北嶋久美子、熊谷 緑、外岡ルリ子、伴野規子 逝 去:渡辺文蔵 |
ボンティアナック事務所長バクリ・リー牧師から長文の報告が来ました。西カリマンタンにおける宣教の目標は『地域のクリスチャンが隣人に福音を伝えられるように力をつける』ことで、それは、経済支援と研修を通して実貌されます。それを可能にするのは皆さんの祈りと援助によると、バクリさんは深い感謝の想いを述べています。 |
スマトラ島のアチェでの紛争以外、インドネシアは一応平穏ですが、米国のイラク侵攻にはイスラム教徒が非常に憤慨していて、それが周囲のクリスチャンへの迫害となって現れています。また、政府が「エホバの証人」を法的に宗教として認めるというので、クリスチャンは危機感を抱いています。インドネシアは多民族国家ですから、人種や宗教の間の摩擦に大変もろいのです。経済状態は相変わらず危機的で、電力・水道・燃料・電話の料金が上がりました。
【教会の現状】
西カリマンタンには現在CNECの教会が66、伝道所が34あり、会員は7126名ですが、職員は68名だけです。いくつもの教会をかけ持ちしている牧師を助ける職員がいない伝道所では、宣教効果が上がっていません。それでもある団地には4家族と16名の教会学校生徒のいる伝道所が出来ました。読み書きだけを習わせたいと思って、子供が教会学校に行くことを許したモスレムの親もいます。子供たちは聖書のお話を聞き、讃美歌を歌う機会を得ています。
スカダウの教会は2月に献堂式を挙げました。会堂は礼拝以外に諸活動にも用いられますから、村人がキリストのみ言葉に接する機会も与えられるのです。一方、資金不足で壁と屋根だけ出来て工事が止まっている教会が二箇所もあります。
【多面的な宣教】
★昨年7月、アンビン牧師はテンプラン村にミニ小学枚を開設しました。公立小学校が遠くて、村の貧困家庭では子供を通わせられないからであり、また子供と家族に福音を伝え、衛生教育をするためでもあります(歯を磨く、石鹸を使って入浴するなど)。教会の敷地内に簡素な教室を作り、牧師夫人がボランティアで教えています。生徒には薬・ビタミン剤・栄養食が週1回配られます。カリマンタン事務所は技術・経営・財政の面で支援していますが、政府にこの学校を公認し、指導用書籍を配布してくれるように申請しました。この学校が教会の成長にも寄与することを願っています。
★スカダウに開設されたフイリピセンター(養護施設)は、教会と地域に恩恵を与えています。
極貧の家庭や保護者のいない児童に住居・食事・教育を与えると同時に、キリストに導くのが目的で、すでに2年間、寮監の下に20名の子供が規則正しい生活をし、学校に通っています。
今年留年したのは2名だけで、他の子供は成績がいいようです。
礼拝や聖書の勉強に熱心に出席し、教会堂の掃除も良くします。
ミシンに喜ぶ寮監と寮生たち |
センターの集会室は、洪水で教会堂が使えなかった2月の3週間、礼拝に用いられました。
CNECからミシン1台、電話機3、扇風機4、音響機器1、それに子供10名のためにマットレス10枚とベッド2台を贈りました。
ミシンは女の子たちが自分たちで衣服を繕い、将来洋裁が出来るようになるためです。
コンビュ-タも設置されて子供や教会の記録を保管できるようにもなりました。
*CNEC=Christian Nationals'Evangelism Commission福音自伝会
★CNECが設立以来援助しているセティア・バクティ中学校は、その地域にはない中等教育の場を提供するばかりでなく、生徒をキリストへと導く役割を持っています。実際、多くの生徒が信仰へと導かれました。その生徒たちが地域の子供たちを感化し、今では高校・大学まで目指す子供が出てきました。現在80名が学んでいますが、まだ毎月援助が必要です。CNECはこの学校も公認され、村の人々と強く結ばれることを願っています。
(1998年に、宮澤・鳥海理事が訪問した時には、生徒の中にSACの里子が5人いました。)
【特別集会と研修会】
椰子油製造の大規模農場で働くために移住してきた人々の多いサンバス地域の諸教会が,ジャカルタからの指導者を得て昨秋計画した集会には、職員を含め600人以上の参加がありました。研修会では牧師の役割と信徒の執事たちがどのように教会の運営を助け合えるかを学びました。
3月末にはボンティアナツタで、米国から誇師を招いて研修会を行い、職員30名が出席しました。
中核になる小グループを基にして教会を作るための具体的な研修で、牧師はグループの中でリーダーになれそうな人を見つけて指導し、職員は教会の仕事を兼任を取れる会員に委任することなどを学びました。
4月の復活祭にはコタ・バル教会で夕礼拝が2回行われ、70~80名の出席があり、1青年が牧師になる決心をし、1婦人がキリストを受け入れると祈り、若者4人が礼拝出席を誓いました。テルッ・ムルス教会では教会学較の合同復活祭に90名が出席、ボドク地区での礼拝には270名が出席しました。
これらの集会に、SACの里子たちが多数参加しています」
CNEC West Kalimantan
西カリマンタンで働く人々と教会員に今後とも皆様の熱い祈りと支援をお願いします。
8月13日午後、アンテオケ宣教会の安海牧師と西カリマンタンから帰国中の高橋めぐみ宣教師においでいただき、去る2月の旅行をご一緒した松本顧問、草野理事長、岩崎理事、木ノ内監事と、国見・鳥海理事で、宣教会とクリスチャンパートナーズとの新年度の相互協力について話し合いました。 |
【理事会報告】第126回理事会は2003年6月13日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2003年3.4.6月度会計報告承認。「通信第67号は6月5日発送済み。「通信第68号の内容は理事長の挨拶、2002年度決算・2003年度予算、奨学金候補者の紹介、アンテオケ宣教会との話し合い。発行は8月中旬の予定。里子の手続の日本語訳を国見理事を通して稲葉シリイレスタリ夫人に依頼する。会計事務のパソコン導入は順調に進行中。20周年以降の新体制を考える構想委員会を立ち上げる。アンチオケ宣教会を通して送っている奨学金を増額する.
第217回理事会は2008年8月1日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2003年6月度会計報告・2002年度決算・2003年度予算案承認。通信第68号の内容に「西カリマンタン宣教報告」を加える。今年度、試みに用紙のサイズを5BからA4に変更する。発行は8月21日。
その他各種報告(当日午後、松本顧問を交えて会の将来について話し合った。)第128回理事会は2008年10月17日(金)一ツ橋学士会館で開催予定.
<編集後記>今回は紙面をを広げ活字を大きくしてみました。読みやすくなりましたか?今年度も皆様の変わらぬご支援、ご協力をお願いします。
夏休みも残り少なくなりましたが、暑さの中くれぐれもお大事に。