クリスチャン パートナーズ
通信60号
《アンテオケ宣教会》との提携強化に向けて
《アンテオケ宣教会》の総主事安海靖郎(あつみやすお)先生は、1972年にご家族と共にインドネシアに赴かれ、17年間かの地で宣教に挺身されました。
西カリマンタンのダヤク族の住む奥地シンタン地区の伝道、中国系難民の多いポンティアナック市周辺における神学校の設立運営、ジャカルタでは超教派のインドネシア宣教交友会での奉仕のほか、松本繁雄氏(元インドネシア味の素社長・当会元理事・現顧問)との出会いから日本語キリスト教会を始められるなど、クリスチャンの国際的な協力の基盤造りに大きな足跡を残されました。
2003年2月 雨中のカプアス川を遡る |
当会理事であった木ノ内一雄氏(現顧問・川越教会牧師)が1986年に西カリマンタンを訪問した際、安海先生にお世話になり、それがきっかけでSACプロジェクトへの参加が決定したのです。
安海先生は1989年に帰国、《アンテオケ宣教会》の総主事の重責に就かれましたので、当会では特別顧問にお迎えし、かの地の最新情報や時宜に適したご意見をうかがってきました。
「10周年記念の集い」(1994年)には、先生のご講演に加えて、通子夫人と次女実枝さんも貴重な体験を話してくださいました。(「通信」第22号、ホームページ掲載)
実枝さんには里子の手紙の翻訳もしていただきました。「15周年記念の集い」(2001年)で講演してくださった大田裕作先生は安海先生の後継者でした。(「通信」第48号)
これらの御協力により、当会は着実に成長しておりますが、支援会員の思いと現地の必要をいっそうきめ細かく通じ合わせるため、理事会は昨年から《アンテオケ宣教会》との関係を深めていこうと決意した次第です。
ここに、安海先生を煩わして、宣教会の紹介をしていただきます。
《アンテオケ宣教会》の紹介
《アンテオケ宣教会》は、1976年(27年前)に日本のプロテスタント教会より生まれた宣教師派遣団体です。その名は、最初の宣教師パウロを派遣したアンテオケ教会(使徒行伝13章1-4節)にちなんでつけられました。
セイダウン小学校訪問 タンディル校長 |
草野理事長 安海先生 高橋宣教師 |
今までに32組(40名余)の宣教師を世界20ヶ国に派遣してきました。現在26名の宣教師を16ヶ国に遣わしています。インドネシア・カンボジア・パキスタン・ヴェトナム・キルギスタン・ロシア・タンザニア・アルゼンチン・ルーマニア・韓国(聾者伝道)の現地の人々への宣教、及び米国・カナダ・オーストラリア・オーストリアの日本(系)人伝道に奉仕しています。
この団体の性格は:
- 全世界へ(対象)
全ての人が福音を聞くために、世界の全ての地域、国に宣教師を送り、そこにある教会、伝道団体と協力しつつ宣教を行う。現在五大陸に宣教師を派遣するに至りました。 - 超教派(協力)
教会の使命としての世界宣教の業を、これまでの経験とノウハウをもって諸教会、団体と協力する。宣教地でも様々な教派、団体と協力する。 - フェイス・ミッション(信仰団体、経済)
すべての必要を神さまが満たしてくださることを信じ、より頼むことを重んじます。デピュテーション(巡回報告)を通しサポートを募り、献金は指定されたとおり用いられます。 - 多様な宣教師(働き、種類)
牧師、教師、技術者(指導)、医療従事者、海外在住日本人対象、教育宣教師などを派遣。 - 現地決定(方法、マネージメント)
宣教師は派遣された宣教地の団体、また教会のもとで奉仕。日本からのコントロールはない。
宣教会の運営は:
- 理事会7名 諸教派、宣教師支援会(母教会などの)より選出。主に宣教師の受け入れ、デピュテーション(募金活動)の援助等、国内での責任。
- 事務局 総主事を中心に主事(現2名)、スタッフ(現3名)が現地との連絡、相談、ニュースの発行を行う。総主事、主事は宣教師経験者。
『支援者の皆様、ありがとうございます。』
高橋めぐみ宣教師を通して月額千円の奨学金をお送りしている奨学生兄妹から礼状が来ました。
ケティアさん オトニエル君 |
兄オトニエル君と妹ケティアさんは、ダヤク族の牧師の家庭の出身で、二人ともポンティアナック市内のタンジュンプラ大学で電子工学を専攻しています。
オトニエル君は卒業論文で苦労しているようで、ケティアさんも中間テストが大変とありました。インドネシアでは五月末が学年の終わりですから、そのうちかれらの努力の結果が分かるでしょう。
§大変遅くなりましたが、昨年8月付けのロバン村からの報告をお届けします§
ロバン村教会の新しいSACの責任者として、皆様の援助金とお祈りによる支援を感謝いたします。指導者が変わり、子供たちの間に新鮮な変化がおきて、教会との結びつきが深くなっています。
2003年の1月に私たちがロバン村で奉仕を始めたとき、少年たちから冷たい態度で無視されました。彼らはロバン村で「悪がき」と言われていて、煙草を吸い、賭け事をし、徒党を組んで、髪を長く伸ばし茶色に染めていました。しかし、ロバン村の一般の人々は教会に対して好意的でした。
ロバン村の教会学校 |
私たちは謙虚な気持ちで、教会を知っている人も知らない人も訪問しました。その結果は大変良いものでした。
教会の裏のマドラ人の所にも行きました。村には10世帯以上のマドラ人がいますが、その結果は勇気づけられるものでした。
7月には教会学校に出席する子どもの数は安定し、SACの里子もそうでない子もいますが、平均70名、時には80名になりました。日曜の夜の若者たちの集まりには、大抵25名から30名の出席がありました。
大人の礼拝には10名以上の活動的な人々がいて、若者も混じっていました。神の栄光により、毎日のように救われた魂が私たちに加えられました。男性たちについては、私たちは訪問して福音を伝えました。
彼らの反応は悪くありませんでした。彼らはキリストを受け入れたいとは思っていますが、まだ教会に来るところまではいっていません。私たちは彼らの家で勧めをしています。彼らの中には、私たちが礼拝のために借りているのは家であって礼拝堂ではないという印象を持っている者もいます。時間がかかっても、彼らの理解を深め、いつかロバン村に自分たちの教会の建物が持てるように祈ってください。
SACプログラムから離れてしまった元里子の何人かは、まだ教会には来ています。引っ越してしまった子どもは来られませんが。
ロバン村ではSACプログラムは親たちから好意的に受け入れられています。彼らは喜んで子どもを教会に来させます。子どもの一人がSAC里子だと、他の兄弟姉妹も教会に来るようになります。
以上がロバン村におけるSACプログラムに関する報告です。どうぞ私たちのためにお祈りください。神様があなた方を祝福してくださいますように。
(Pastor Sugianto)
リンダ(Linda)は Akademi Teologia Injili Indonesiaで (インドネシア聖書神学アカデミー) 2003年8月から2006年6月まで3年間 神学をっ専攻、住居は学校が提供。 指導教官は神学校の教授サミロ・イマン 牧師。イマン牧師のテルクムル教会で 実習予定。 |
ヴァレンティナ(Velentina)は Seminary Theological Pontianakで (ポンティアナック神学セミナー) 2003年8月から2004年6月まで 4年間、キリスト教教育専攻。 住居は学校が提供。 指導するのはパウリナさん、CNEC事務所の 財務担当者。 コタバル教会の教会学校責任者。 |
奨学金は月額35ドル、(充分とはいえないが、必要なものはまかなえるそうです) |
里子から届く手紙を翻訳してくださっている、稲葉シリィ レスタリさんに自己紹介の文をお寄せいただきました。偶然職場が一緒になったことから翻訳をお願いしたところ、快く引き受けてくださり、私たちはシリィ レスタリさんの手書きの美しい日本語で里子の手紙を読むことが出来るようになりました。
3月で職場を去られますが、クリスチャンパートナーズとの関わりは続けていただけるとのことですから、より深い交わりが出来るようにと願っています。
この度はご縁があってクリスチャンパートナーズの皆様とお知り合いになれ、嬉しゅうございます。私はインドネシアの中部ジャワにあるジョクジャカルタ特別市で生まれました。夫は日本人です。日本で生活して早くも19年が過ぎました。大学4年と1年の息子がおります。
一昨年まで札幌に住んでいましたが、夫の転勤で江戸川区に移り、昨年4月から青山学院宗教センターのパートタイマーとして働くようになりました。クリスチャンパートナーズの活動について國見さんから伺って、インドネシア人として大変感謝しております。
手紙の翻訳をお頼まれしたときには戸惑いました。私の日本語はまだ充分ではありませんので、里子たちの貴重な手紙の内容が里親の方々に正しく伝わるか心配でした。お読みくださって、お分かりになりましたでしょうか。
里子たちの手紙を見ますと、彼らが御支援を無駄にしないように、自分たちの夢が叶うように、一生懸命がんばっている様子が分かる気がします。
「通信」に自己紹介を載せてくださるとのことで心から感謝申し上げます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
第129回理事会は2004年1月9日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2003年10・11・12月度会計報告承認。会計報告は今後パソコンで各理事に配布。「通信」第60号の内容協議、3月中旬発行予定。去秋に送られてきた里子の手紙は44通。稲葉夫人に翻訳謝礼支払い。里子12名が入れ替わった。里親のいない子どもは現在12名。《サンタの会》より2003年分として支援金20万円受け取り。昨年10月28・29日に米国で開催された責任者会議の報告。今後の体制について、「通信」のカラー化やSAC以外の援助金の小口化、ホームページ改善などを協議。
第130回理事会は2004年3月5日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2004年1・2月度会計報告承認。「通信」第60号の原案を一部訂正して了承、3月10日発行予定。第1期奨学生への支援費はシンガポール事務所にすでに預けてある15万円から支給する。ミゾラムにカナダPI経由で1~6月分送金済み。会員異動・変更報告。リーフレットの改定、2005年2月の現地訪問・援助物資送付の可能性、会則改定などに付き協議。
第131回理事会は5月7日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。
<編集後記>
SACで義務教育と高校までを終了した子どもたちの中から、その上を目指す生徒が現れないかと長年期待していましたが、やっと希望が叶いました。卒業までの年月を、私たちも支援し続けられるように努力しなければなりません。西カリマンタンの出身者が、郷里で宣教の業に奉仕できるようになるのはうれしいことです。彼女たちに主の守りと導きがありますように祈ります。
気温の上下の激しい日々ですが、確実に春は近づいていますね。日本では年度の変わり時で、皆様の身辺にも変化があることと思います。くれぐれも健康にご留意ください。