クリスチャン パートナーズ
通信61号
―代表者国際会議を終えて―
去る3月15日から3日間、シンガポールで行われたパートナーズインターナショナルの代表者会議では、あらためて国際会議の存在意義と団結を確認し、本年12月1~3日にオーストラリアで大会を行うことも決定して閉会しました。
振り返ると、最近の国際環境は今までに経験したことのない不確実なもので、モスレム人口の多いルワンダで、キリスト教宣教の視察を兼ねて開催準備が出来上がっていた会議も旅行の危険性が高まり、主催者オーストラリアのコーエン牧師夫妻は涙を飲んで断念しました。
また、昨年カナダのワデルさんが北京を舞台に準備した60周年記念大会や視察旅行もサーズの不安のため流会になりました。
最近の国際会議はセミナールームのようで、出席者はほとんどパソコンを持参、議論しながら自分用の記録を取ったり、状況や話題にあわせてリーダーが替わり、掲示板にキーワードや情勢分析を書き並べていました。
「今回は基本的な問題と取り組んで、一段深いところから議論して非常に良かった」という全員の納得が得られたところでローズ議長が感謝の祈りをし、庭で記念撮影をしました。
10年ほど前に《Standard and Policy》と題してまとめられたパートナーズインターナショナルの綱領の精神が、変動の時代に臨む新しい指導者の言葉によって確認された意義は大きいものがあったと言えましょう。
今回の決議の一部を訳して見ました。
【目標】我々は、最も援助を必要としている地域自身の中から育ってくる宣教の力と一心同体となって、神の国の実現が促進されることを目標とするものである。
【基準】我々は各々の国を代表して、上記の活動意欲を共にする団体として、この国際的議定によって団結を確認したのである。
<写真説明>左から チャン(シンガポール)、コーエン
(オーストラリア)、ルイス(米)、ローズ(英)、
ミシェル(カナダ)、草野(日本)、ライ(マレーシア)の各国代表
―2003年活動報告から―
西カリマンタンには、現在SACプログラムで援助を受けている子どもたちが886名います。
そのうち日本が援助しているのは85名です。
親たちは伝統的な農業をしているかゴム園や椰子油農場の労働者で、収入は生活費を満たすだけありませんから、子どもの教育費援助には大変感謝しています。
里子たちは大方、州の六郡内の農村地帯に散らばって暮らしています。
通信・交通の便は非常に悪く、雨季には洪水で連絡手段が全く無くなることもしばしばで、その結果SACプログラムの運営に支障が出ます。
食事を楽しむ子どもたち ティアン・タンジュン教会 |
里子たちは学校に行くことが出来るばかりでなく、教会学校で福音に接する機会を与えられていますし、他にもキリスト教信仰を深く知るための計画がいろいろあります。
復活節にはテルク・ムル教会で特別集会が開かれ、151名が出席し、15名がキリストを受け入れました。
ボドク郡の教会での復活節特別集会には230名が出席し、15名が同じくキリストを受け入れました。
キャンプはしばしば開催され、子どもたちにはみ言葉に接するばかりでなく、友情を育む機会も与えられます。
6月5~7日にティアン・タンジュン教会で開かれた子どもキャンプの主題は「キリストの証し人となるには」で、その結果6名が9月に受洗しました。
フィリピセンターでのユースキャンプ |
6月24~27日にスカダウのフィリピセンターで、SACと教会の共催でユースキャンプが開かれ,190名の青年が参加しました。
大人へと成長していく彼らに適切な課題が提示され、聖書のメッセージが語られました。
祈ること、個々人がキリストを救い主として受け入れること、教会に出席すること、宣教の働きに加わること、黙想の時をもち、主に仕える人となる決心などへの努力が求められました。
もう一つの重要な働きは、子どもたちに福音を宣教し、その精神的成長を育む役割の働き人の養成です。
ジャカルタ児童宣教会がトレーニングプログラムを作り、2003年11月に第1回「児童に効果的に教えるには」が開かれました。
出席者30名中半数は牧師でした。
参加者は与えられた宿題を各々の教会で実行しなければなりません。その結果によって第2回に出席できるかが決まります。
第2回は2004年中に開催されます。ジャカルタで2005年に開かれる第3回に参加できるのはごく少数になるでしょう。
3回のトレーニングを完了した人たちは〔教師の指導者〕という資格を得、私たちの団体で他の人々を訓練できるようになります。
主が私たちの教会を強め、地域社会に福音を宣べ伝える幻を持たせてくださるよう祈ります。
皆様の変わらぬ支援に感謝し、今後も御協力くださるようお願いします。
(2004年4月13日の東南アジアCNEC年次総会に提出された活動報告から抜粋)
アンジュンガン神学校の神学生一名を、今回初めて木ノ内牧師夫妻が全面的に支援されることになりました。
クリスチャンパートナーズが窓口となる、最初の試みです。
アンジュンガン神学校との出会いは、2003年2月にクリスチャンパートナーズの理事3名とともに当会特別顧問でアンテオケ宣教会総主事の安海靖郎先生の引率により、先生の伝道の軌跡をたどって西カリマンタンを訪問した時に始まります。
神学校の卒業式に出席し、これからインドネシア、或いはアジアの各地に遣わされて行く若き伝道者たちの熱意が、その力強い賛美の歌声とともに、今でもはっきりと思い出されます。
安海先生は無論のこと、私たちに同行してくださり、通訳を始めこまごまとした世話をしてくださったアンテオケ宣教会派遣の高橋めぐみ先生のお蔭で、学生や職員の方との交流ができました。
神学校の教員の子弟で、クリスチャンパートナーズが長年SACで支援してきた兄妹が私たちに会いに来て、現在は大学で勉学を続けていると目を輝かして話してくれたことも心に残り、私たちの小さい業がこのような形で実っていることを目の当たりに出来、感動を覚えました。(オトニエル、ケティア兄妹のこと。第59・60号参照)
そのような体験から、現地に宣教師を送り、そこでの生活を通してどんな援助が必要かを知り、かつ援助が実際にどのように用いられているかを随時報告できる体制の整っているアンテオケ宣教会の援助の方法に共鳴し、この団体を通して何かお役に立ちたいとの思いが沸き起こりました。
高橋先生が昨年第一期の奉仕を終了して一時帰国なさった時、その思いを申し上げたところ、アンジュンガン神学校の神学生を援助してはと提案されました。
そのような経緯でこの度マルティヌス兄の里親になりましたので、ご紹介したいと思います。
以下は同兄の証しの要旨です。
マルティヌス兄 |
マルティヌス兄は1977年にダヤク族のクリスチャンホームに長男として生まれました。妹が一人でき、養子として弟も一人家族に加わりました。
幼児期よりキリストの教えを受けて育ち、1989年4月に受洗しました。高校に進みシンタンの学生寮に入るとクリスチャンの友人も与えられ、教会に熱心に通い、青年会のリーダーにもなりました。
ジャワの学校に転校し、大学にも順調に進んだのですが、父親が亡くなったためカリマンタンに帰り、家計を支えるために働かなければならなくなりました。社会の厳しい壁にぶつかって次第に生活が乱れ、神から離れていきました。
やがて農業関係の企業で働くようになり、多忙のため遊ぶ時間はなくなりましたが、依然として教会には戻りませんでした。
暫くしてシンタンの神学生と出会ったことで再び教会に導かれました。
2002年8月にポンティアナックの銀行に転職した頃、母が亡くなくなり、それをきっかけに生と死について考えさせられ、人生のはかなさを思い知らされて失意のどん底に落ちましたが、イエスが強め、慰めてくださいました。
2002年12月に献身を促され、長男としての責任、経済的な悩みがありましたが、祈りの中で主イエスに支えられ、昨年3月から神学校で学んでいます。
高橋先生によると、マルティヌス兄は学業に専念しており、成績も優秀だそうです。一人の伝道者を世に送り出すことにより、神のみ業が宣べ伝えられ、やがて多くの実を結ぶことになると考えると、たとえ微力であってもお役に立てることは幸いに思います。
緑に囲まれたアンジュンガンの恵まれた環境で今日も主イエスの栄光のためにひたすら勉学に打ち込んでいる青年たちがいることをお覚え頂けたらと願っています。
(木ノ内一雄氏は川越教会の牧師で、クリスチャンパートナーズの設立当時からの理事、現在顧問です。)
私はメイティです。
メイティさん |
今は、バンドンの大学の学生で、22歳です。大学では日本語を勉強しました。日本語はおもしろいと特殊な語と思います。
はじめはやさしいですが、つぎは難しいです。しかし、たいへんたのしいです。ことし、四年生で論文を作ります。
バンドンにある寮に住んでいます。両親はカリマンタンに住んでいます。
バンドンからカリマンタンまで船で二十二時間ぐらいかかりました。船で行くほうが飛行機で行くよりも安いです。
寮に住んでいるために、いろいろなことを起こりました。あるひとつの、お金を持っていないので、一か月ぐらいらめんを食べました。でも、毎日神に感謝しました。
将来の希望はmissionaryになることです。主のみ心なら、どこへでもいきます。私が論文を完成するように、それだけ祈ります。
《サンタの会の援助実る》
静岡在住の方々で作る《サンタの会》が、インド、ミゾラム州にある養護施設〔ヘルモン子どもの家〕に住む子どもたちに必要な英語の教育を与えるため、教師謝礼・教材費などを長い間、年額20万円送ってくださってきました。
中心になって支援しているカナダPIから、その様子を伝える写真が送られてきましたのでお目にかけましょう。
(「通信」第59号3ページ参照)
校庭に並ぶ生徒たち | ラルレムルアティ先生の英語授業 |
校舎の前の生徒と先生 | 教室の生徒たち |
発行は6月中旬の予定。
シンガポールへ援助金の3月送金686,000円。
Lindaには2005年6月までValentinaには2004年6月まで学費援助をする。
青木彰氏から10万円の援助金を頂き、竹澤理事が訪問して謝意を表した。
12月にオーストラリアで開催される恒例の国際会議への参加者募集。次期予算に参加費補助を計上する。
8月10日にチャン師来日の予定、理事会で歓迎夕食会を学士会館で開く。
第132理事会は2004年7月23日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。
<編集後記> インドネシアのアンボン島ではイスラム教徒との宗教抗争が再燃し、伝道旅行中の島のキリスト教団指導者と神学生が殺害されたという痛ましいニュースが入りました。遺族のために祈ってほしいとのメールが来ています。
梅雨の季節ですが、皆様の健康が守られますように。