クリスチャン パートナーズ
通信64号
国際評議会報告
~オーストラリア、シドニー市~
《我々は何故このように連繋(Alliance)を結んでいるのだろう》
2004年12月1日から週末を入れて6日間、シドニ-で行われた国際会議は、全体会議第一日目に英国・カナダ・米国・オーストラリア・シンガポ-ル・日本など各国20分の報告を済ませ、第二日目の冒頭には米国の代表ルイス氏が上記の基本的テ-マの確認・報告を行い、今後何をなすべきかを出席者全員で発議し合いました。
夏のシドニー湾 |
週末は懇親と近隣教会での礼拝等にあて、討議は週明けの実務代表者(CEO)会議に付託した形になりました。
最近の不安定な世界情勢の中で、私たちが考え合わせなければならないことがらはまことに複雑ですが、今回もイスラムの体験を持つ青年の談話や、ベン・シア氏のグル-プが実施している中国内の50以上の少数民族への宣教についての研究の中間報告が行われました。
歓迎夕食会は、主催国オーストラリアの代表コーエン氏が以前牧師をされていた聖マタイ教会のご好意により、70名ほどが参集して盛大に行われました。トルコでの前回の会議から2年、僅かな年月の経過のうちにも人の移り変わりは紛れもなく、故人の思い出や遺族の消息、知人の安否を尋ねたりして去り行く年を惜しみつつ、再会を喜び旧交を温めて、夜の更けるのを忘れました。
各国からの参加者 |
さて私にとって、今回の会議は特別の意義がありました。それは私が一つの提案を予め会議の議長ジョン・ローズ氏他CEO会議の出席者に送り、その扱いによっては、今後継続してこの会議に参画する価値を考え直す程の気持になって出席したことでした。
それは<Partners International Global Website>(開発途上国援助金活用情報全世界データベース)と仮称し、パ-トナ-ズ各国のコンピュ-タ-の連携センタ--を創り、私たちの援助金がどのように活用されているかの実情を克明に把握できるようなシステムを、例えば5年計画で立ち上げようというものであります。今やコンピュ-タ-を駆使して人類は無限な宇宙を探検し、正確きわまる爆撃力を開発していますが、解決不可能の如く放置されている地上の貧困や貧富の格差に対する、ボランテイア・ベ-スの援助金の使途についての具体的な情報は、協力下さる方々に入手できるようには管理できていない場合が大方です。
左端は草野理事長 お茶のひととき |
援助金を扱う担当者の誠意に信頼して成り立っている繋がりではありますが、コンピュ-ターシステムによって更に確実な情報ベ-スを整備し、愛の絆への関与がより強く動機付けられる方法を考えようという着想です。私たちクリスチャンパートナーズが主としてSACプログラムに参画して来た20年の経験から、将来に向かって立ち上げる価値のある提案として打ち出したのでした。
限られた日程の中でしたが、CEO会議は即座にその方向に賛意を表し、検討委員会の設置を決議しました。巨大な課題でありますが、これは単に私たち一個の団体だけの課題ではなく、急速に世界中のあらゆる大小の公益・寄付団体共通の目標となりましょう。
シドニー国際評議会へ出席して
鴎飛び交う青い海、まばゆい太陽の輝き。12月初旬のシドニーは、真盛りの夏にクリスマスのイルミネーションが不思議とマッチしていました。1日から6日までの国際評議会々場、マンリービーチは、世界中から集まった観光客で賑わっていました。草野理事長とご一緒に初めてオーストラリアの地を踏みしめ、美しい海岸、周辺の緑豊かな公園を散策した後、聖マタイ教会で開かれた歓迎の夕食会に臨みました。
マリンビーチの木ノ内監事 |
2年前トルコで開催された評議会以来のPIメンバー、ポール・チャン氏始めシンガポールのスタッフ、また新たに加わられたPIメンバー、地元のスタッフなどと歓談、話が弾みました。
オーストラリアのPI代表であるコーエン氏のスピーチにも今回の会議にかける並々ならぬ決意が伝わってきました。会議は二日間にわたり、いずれも聖マタイ教会牧師ハーベイ氏による朝拝に始まりました。12月2日はPI各国の活動報告とベン・シア氏による中国教会の現状及び宣教活動が語られ、小グループに分かれてお互いのために祈りあう事で一日を締めくくりました。
3日はアメリカPI代表、ルイス氏によるCEO組織の現状と将来の展望について大方の時間が割かれました。その他、オーストラリアのイスラム教徒に対する伝道の現状等が話されました。
英・米・加・オーストラリア・シンガポールなどリードカウンシルと呼ばれるCEOの主要国が世界中の援助を必要とする地域でそれぞれのニーズに応じた働きをしているのを、パワーポイントと呼ばれるコンピューターソフトを使って分かりやすく理路整然と説明されるのを聞き、改めてPIの働きの意義を噛み締める事が出来ました。
草野理事長によって過去一年の日本の活動についての報告がなされた後、私も一昨年のインドネシア西カリマンタンへの視察旅行での感想をお話しました。
報告する木ノ内監事 |
特筆すべきは、今回初めて出席されたベン・シア氏とそのチームの働きです。わずか6名で始めたスタッフが2年間で26名になったそうです。
中国南西部の農村地区に年に数回短期宣教師としてスタッフを派遣して滞在させ、子供、青少年への教育(英会話を教え、バイブル・スタディ・グループを作るなど)、婦人への働きかけ、地域の活性化のために地元スタッフと共に働くとの姿勢に感心しました。
また、北京でも教会建設、若者への伝道の場として大学生の聖書研究のためのセンター建設や英会話教育を取り入れたサマーキャンプ等、様々な機会を通して都市伝道を推進しています。
スタッフのお一人で、ベン・シア氏を支えるリリアン・レン氏と親しくなり、彼女の溢れ出るような宣教への情熱に触れ、中国で主の御業が着実に進められている事を知らされました。
4日の土曜日は出席者相互の親睦を深める機会となりました。大半の方々は送迎用バスでヨットハーバーまで行かれましたが、私はオーストラリアPIスタッフ夫妻と一緒に海岸線に沿って素晴らしい眺めを楽しみながら散策した後、皆に合流し、ヨットクルーズの楽しさとスリルを味わう事が出来ました。
ヨットを降りて、薄暗くなった公園でキャンドルの明かりの中でバーベキューを頂きながら語り合ったのも忘れられない思い出です。
帰国直前の7日は、オーストラリアPI事務所に立ち寄って所内を案内して頂き、隣接するバイブルカレッジで開かれたルイス氏による現地スタッフ向けセミナーにも参加することができました。
和やかな会議の様子 |
トルコで親しくなった友人(オーストラリアPI会員のトーマス夫妻)と再会してお宅に招かれたり、シドニーダウンタウンを案内して頂いたりしたオプションも付き、本当に多くの事を学び、有意義で楽しいシドニーでの6日間でした。
高橋先生を通して奨学金を受けているアンジュンガンのATI神学生たち
左端 エビア(Ebia) シンタン出身
その右 ベリアナ(Beliana) トホ出身 (アンジュンガンの近く)
その右 ウミ・プルワンティ (Umi Purwanti)中央カリマンタン出身
右端 ヘンドラ・エコ(Hendora Eko) クタパン出身
この他、木ノ内夫妻が支援しておいでになるマルチヌス兄がいます。
(「通信」第61号参照)
インマヌエル中学校の奨学生17名から
一人一人の資料が届きました。順次ご紹介します。
私はエロク・クルニアワティ、1年A組です。1992年2月17日にシンタンで生まれました。プロテスタントです。牧師になりたいという夢を持っています。歌うことが好きです。今まで神様のお恵みを溢れるほど与えられています。病気の時に神様にお祈りすると治してくださいます。私は日々神様の祝福の中で幸せに暮らしています。私のためにご支援くださって、感謝申し上げます。 | |
私はエルリタ・ジュヴィアナ・プラシダ、1年B組です。1992年6月21日にシンパンで生まれました。プロテスタントです。医者になりたいと思っています。趣味はバドミントンです。好きな聖句は『主において常に喜びなさい。』です。(フィリピの信徒への手紙4:4)私のためにご支援くださって、感謝申し上げます。 | |
僕はハリティウス、1年です。1991年1月5日にジェタイで生まれました。プロテスタントです。将来は軍人になりたいです。小学校を卒業した時に、中学校に進学するかどうか迷いました。中学校に入れば学費が沢山かかるのです。しかし、両親の職業は農業で収入が少ないのです。悩んでいる時に神様にお祈りしたら、スポンサーを通して私に道を開いてくださいました。アーメン。私のための支援を感謝します。 | |
私はメリア、1年A組です。1991年8月17日にバウンフルで生まれました。プロテスタントです。将来は医者になりたいです。スポーツが好きで、バレーボールをします。父がお酒好きで、よく酔っ払って、怒って帰ってくることがあります。私のためのご支援を感謝します |
<編集後記>スマトラ島が蒙った津波の大災害については、みなさま大変ご心配くださり、問い合わせもいただきありがとうございました。幸い西カリマンタンには被害が及ばなかったようです。今号の会議報告の中に名前のあるベン・シア氏は脳外科医で、早速歯科医の夫人と総勢14名のチームを組んで被災地に飛び、インドネシアのクリスチャンの通訳・運転などの協力を得て、12の村々と避難所で医療奉仕をされました。今後、生活再建のための長期にわたる支援が必要との報告が来ています。皆様から寄せられた緊急援助金は、ベン・シア氏の活動を直接サポートしている米国PIに送金させていただきました。ご配慮に感謝いたします。次の報告が来ましたら、またお知らせいたします。
花の便りとともに復活節が近づきました。流感や治りにくい風邪がはやっているようですので、花粉症の方々は特にご注意ください。
鳥海百合子