クリスチャン パートナーズ
通信65号
退 任 に 際 し て
理事長 草野計雄
2年前の6月、私は「通信」第57号の紙上に理事長退任の予定を発表し、会の運営の組織化と新しい執行力を生み出すことを目標にいたしてまいりました。その日程が終了に近づきましたので、一言ご挨拶を述べさせていただきます。
この間、理事全員が共に会の運営の新しい行き方を模索してまいりましたが、ようやくその基本的信条を再確認するところにいたったと思います。クリスチャン・パートナーズは、神のご計画と隣人愛と祈りのある限り存続していく活動であるということであります。神が示されている機会があるのに、実現に努めないことは怠慢でありますが、神のご計画がないところに何かを試みても傲慢のそしりをまぬかれないでしょう。
この2年間で当会は独自の会計を基礎にして事務のシステム化を完了しましたので、会員数の変化にもこれで対応していけると思われます。ホームページなどの場から新しい芽生えがあることにも期待します。海外の同労団体とも絶えず互いに励ましあって情報を交換しています。引き続き会員の皆様に身近に感じていただけるように努めていきたいと思います。
草野理事長と、任期満了の森本貞子、国見俊介両理事 |
末筆になりましたが、現在会を支えて くださっている方々ばかりでなく、かつて会員であった方々のご支援も、現地の子供たちの成長となって成果を挙げていることをご報告したいと存じます。
会発足以来二十余年のご協力を感謝し、今後もかわらぬご支援をお願い申し上げます。ありがとうございました。
新年度に理事長職を担っていただきたいと理事全員で願っていた方が、諸般の事情ですぐにはその役目をお引き受け下されないことになりました。大変残念ですが、理事たちは就任いただける日まで分担して責任を担っていくことを決意いたしました。退任なさる草野理事長には、当分の間理事長の実務を行っていただきます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 2005年6月30日 理事一同 |
アンジュンガンのATI神学校から
クリスチャン・パートナーズの奨学金を受けている神学生の証
ウミ プルワンティ (Umi Purwanti)
私の家族は神様の道を知りません。父が何の宗教を信じているかはっきり分かりませんが、母はイスラム教です。兄弟4人姉妹4人で私は4番目です。彼らはイスラム、カトリック、プロテスタントといろいろですが、敬虔な信者ではありません。
神様が私を「しもべ」として選んでくださった時、最初私は拒絶しました。その時の私の気持ちは例えるとイスラエル人が砂漠で迷っていたときと同じでした。以前私は神学校で学んだことがあり、いろいろな教会での奉仕もさせていただきました。けれど、その時は教会のために100%自分の人生を捧げる気持ちにはなれず、別の仕事を探しましたが、心に不安と迷いを覚えて悩みの種となりました。
結局、一番よい方法は神様のお導きに従って生きていくことだと思い、教会の方に相談したところ、ATI神学校で学ぶようにアドバイスをいただきました。授業内容、施設その他大変よい学校でしたので、早速申し込み、入試までは順調に行きました。
神学校の学生になれることは大変うれしかったのですが、入学金の額を見てそのうれしさが一瞬で消えてしまいました。それまで、入学するのにやる気と勇気しか考えていなかった私は、実際に入学金がどれだけ大きいかが分かって驚きました。しかし私は諦めませんでした。神様はきっと私に道を開いてくださると信じました。手続きの5万ルピアしか払えませんでしたが、事務局では私のような人を受け入れてくださって、チャンスを与えてくださいました。これはすべて神様の愛によると感謝しています。
最初の一ヶ月は環境、級友、仕事、授業、寮生活になかなか馴染めず大変でした。授業に必要なものも十分に無いので苦労していますが、我慢しなければなりません。きっと神様が私に必要なものを与えてくださると信じています。
昨年11月に事務局に呼ばれ、クリスチャン・パートナーズからの奨学金をいただけることを知りました。支援をいただき、私は勉強や奉仕に専念できるようになりました。私は安心し、同時に責任も感じています。私を愛して祈り、協力して援助金を送ってくださる方々の好意を無にしないため、必ず成功するように約束します。皆様の支援に心から感謝申し上げます。神様がいつも支援者とそのご家族に恵みを与えてくださいますようにお祈りしています。
ヘンドラ エコ (Hendra Eko)
私の名前はエコと申します。私は質素な家庭に生まれました。両親は農業をしています。
神様の「しもべ」になろうと決心したときに、家族にとって学資のことが一番の問題でした。両親にはそれだけの余裕がありません。教会の方が、すべてを神様にお任せして信じるようにと助言してくださいました。私たちの祈りが聞かれ、出発一週間前に費用を何とか集めることができ、私はアンジュンガンに来ることができました。これはすべて神様のお助けと心から信じています。
授業が始まり、毎日が楽しいです。6ヶ月の研修期間の勉強や生活は大変充実していました。学費を払う力が無くても、神様は常に私に恵みを与えてくださいます。私に支援者を与えてくださいとお祈りしたところ、かなえられたのです。ある日、じむきょくからよびだしがあり、私はクリスチャン・パートナーズからの援助を受けることになりました。とてもうれしかったです。
み言葉『正しい者は信仰によって生きる』ローマ人への手紙1章17節は、私を支えてくださいます。神様の偉大さを私の生活に強く感じています。これからも、いろいろな問題や悩み事にぶつかる時に、きっと神様が導いてくださると信じています。主イエスの恵みに感謝いたします。
ロバン村近況
シンカワン市・ロバン村教会牧師
オベルナリウス(Obernalius)
イエス・キリストの名において、皆様にご挨拶いたします。2004年にロバン村教会で行われたプログラムの様子は下記のとおりです。- 日曜日の大人の集会 10~30名
- 金曜日夜7時からのシジャンクン伝道所での青年たちの集会10~15名
- 日曜日夜7時からのロバン村教会での青年たちの集会 20~30名
- 金曜日午後4時からのシジャンクン伝道所での教会学校 児童16名
- 日曜日のロバン村教会での教会学校 児童30~50名
大人の集会の様子 |
2.宣教団訪問
2004年11月、マレーシアの宣教団がロバンとシン カワンを訪問しました。ロバン村では無料で医療奉仕が行われ、患者が約百名来ました。クリスチャンでない人々にも開放しました。その他リバイバル特別集会を3日間行い、個人にも宣教しました。
3.伝道集会
全教会員が参画し、自分たちの家族や友人を集会に誘ったので非常に効果的でした。
牧師としての私の役目は、新しい信者にキリストを自分の救い主として受け入れるように、霊的に育てることです。2005年には聖書の勉強会や伝道活動への訓練会が目標です。
医療奉仕を受ける人々 |
4.SACプログラムにおける宣教
SACの里子たちの中で、学校の成績が良くなかった児童のために、聖書の勉強と学校教育のクラスを組織しました。現在SAC児童で日曜日に教会学校に出席しているのは、30~50名ですが、教師も少なく教室も狭すぎます。私たちは定期的に支援金、支援者からの手紙やカードを子供たちに渡しています。
5.宣教の努力目標
- 社会問題
- 文化の問題
教会員やSAC児童の家庭もこのような習慣に影響されていて、彼らの霊的革新が妨げられます。私たちはこのような環境の外で礼拝を行える場所を見つけたいと望んでいます。そうすれば彼らの霊的な成長を促進し、誠実なクリスチャンに育てることが容易になるでしょう。
- 新しい集会所の必要
しかし、もっとも大きな問題は夜の集会で、隣人たちが大音響で音楽を奏するのです。この人たちは、集会に出席する女の子たちの邪魔もするので、私たちは礼拝に集中できず、時間も短くなってしまいます。礼拝中に屋根に石を投げられることもあります。
しかし、主のお守りで状態は改善されつつあります。
子供と一緒に教会学校の礼拝に出席する親たち。 |
私たちは、借家ではなく自分たちの教会堂を持ちたいと望んでいます。
家賃は年々高くなっています。礼拝に集中でき、邪魔が入らずにいろいろの活動ができる場所がほしいと願っています。2005年には教会建設委員会を組織して資金集めも始めます。
この目的を達成するため、近隣の教会の協力を仰ぎ、会員からの献金を集めようと思っています。あなた方のご支援にもお祈りにも期待しています。
これが皆様に読んでいただきたい私たちの報告です。何年にもわたるご支援を感謝しています。あなた方の誠実な支援のゆえに、主キリストが皆様を祝福してくださいますように。アーメン
第136回理事会は2005年6月3日(金)一ツ橋学士会館で開催。前回議事録承認。2005年2・3・4月度会計報告承認。2005年度予算概観について協議。「通信」第65号は原案を理事に送付して承認を得た上、6月末発行予定。新理事長にお願いした方は年度始めに就任が困難と分かり、暫定的な理事会体制について協議。
草野理事長にしばらく実務の続行をお願いし、更に新しい理事の候補を上げた。米国PIのジョン・ルイス夫妻が中国訪問の帰途来日予定で、7月18日夕食時に歓迎会を開く。
第137回理事会は2005年8月19日(金)一ツ橋学士会館で開催予定。
1984年11月のクリスチャン・パートナーズ設立以来、理事長としてこの運動を育て、責任を担ってこられた草野理事長が退任されました。SAC児童は発足当時の理事と同数の6名から始まったとうかがっていますが、今は10倍余になりました。草野理事長の長年にわたるご苦労に感謝し、私たち受け継ぐ者たちの責任の重さを痛感しています。向暑の折ご自愛ください。
鳥海百合子